締切前には幽霊がいる
ミムジー
第1話 大切なものは文字に書いてない
あなたは幽霊と話したことがあるだろうか。
私はある。とても怖い思いをした。今回はその時の話をしようと思う。
1 序章 大切なものは文字に書いてない
「その町は、北陸の山間にありました。人口は約2万人。戦前に繊維業と鉄鋼で栄え、すぐに廃れて、今は観光と農業でなんとかしのいでいる町です。町というより、もう、限界集落といっていいところです。そこで、ある事件が起こりました。子供が一人消えたんです。」
それは誘拐か事故の話ですか?
「そういう話じゃないです。大勢の人の前で、子供がすうっと消えたんです。」
幽霊のように?
「良い喩えですね。その町である行事が行われていて、そのイベント会場にいた子供が、皆の見ている前で消えたんです。幽霊のように。」
それ、本当にあった話なんですか?
「本当の話です。だって、消えた子供は、この私ですから。よかったら、もう一度消えてみましょうか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます