春夏秋冬

@hotarl0716

第1話 四季ハウス

~kaori.side~

きれいな桜が咲く季節、私たちは中学校を卒業した。保育園からの長い付き合いだった私たちはそれぞれ4つの高校に別れた。

夏織かおり、みんなで写真とるから集合だって。」

「今行くよ、こう。」

「何、悲しい顔してるのよ。別に二度と会えないってわけじゃないんだから。」

「そんなの知ってるよ、冬鹿ふゆか。」

「冬鹿はもうちょっと悲しみなさい。」

「だって、私たちは毎日顔会わせるじゃんか。嘉都よしと。」

そうだった。私たちはこれから同じ家に住むんだ。いや、詳しく言えばシェアハウスになるのかな。

一緒にシェアハウスを決めたのは1ヶ月ぐらい前、みんないきたい高校は決まっていてあとは結果を待つ状態の人もいた。

私たち4人は家からは通えない高校だった。しかしちょうどその時、嘉都の伯父さんが転勤とかで住んでいた家を嘉都に貸すそうだ。しかし、嘉都一人では大きいのでどうしようかと悩んでいたそうだ。ちょうど良いので私たちもそこに住むことにした。そこから高校を通うのはちょうどよいぐらいだった。

母や父に友達と一緒にシェアハウスすると話すと条件付きで許可してくれた。

週に一度は家に帰って来ることを条件にして。

卒業式も終わり、次の日みんなで住むことになる家へ行くと、とてもきれいな家だった。

部屋が多いので確実部屋を持てるし、部屋にはクローゼットやベランダもあり、ドアには鍵がついていた。

「一階が二部屋、二階も二部屋。誰がどの部屋にする?」

「私、二階がいい。」

「だったら、女子が二階でどう?」

「いいね。それ。僕は良いと思うよ。」

「じゃあそういうことで。寝るときは各自部屋には鍵かけてね。」

部屋を一通り見てから家から持ってきた荷物を部屋においていった。

夕方くらいには部屋は片付いた。

ちょうどその時、嘉都が来た。

「どうしたの?嘉都?」

「家の名前を決めようと思ってね。四季ハウスでいいかみんなに聞いてるんだ。」

「四季ハウスねぇ…良いんじゃない?私たち、中学校で四季組とか言われてたし。」

「じゃあ、夏織の意見は四季ハウスね。了解~」

私たちはそれぞれがそれぞれの季節に生まれた。

航は春。私は夏。嘉都は秋。冬鹿は冬。

だから、四季組とか言われてるんだ。

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