第8話 クラスチェンジ

寒い。


氷のダンジョン。


入り口が隠れていたので、未踏破確定。


寒い。


月花は楽しそうに歌っている。

流石だなあ。


「ウォームコンディションの魔法を使ってますからね」


俺にもかけろよ。


「おや?気分を味わう為に敢えて要求して無いのかと」


何でだよ。

かじかんで武器も持てないよ。


ボウッ


不意に暖かくなる。

まったく。

水に落ちた時も、言わなきゃ補助魔法使ってくれないのだろうか。


「そうですね。ちゃんと口に出してくれないと分からないですよね」


いや、考えている事覗いてるじゃないか。

そこはせめて、考え読んでよ。


「最近さぼり過ぎですよ。ちゃんと声を出しましょう」


「つい」


さて・・・暗闇だが、暗視のスキルで問題無い。

床が滑るので、これもスキルで滑らない様にして歩く。

トラップも検知、避けたり、解除したり。


ひゅ


感圧式の罠に囲まれた宝箱を、鞭で引き寄せる。


中から・・・


SR剣、SR短剣、SRフルプレート、財宝。


どうやってこの大きさが入っていたのか。


ひょいひょい


月花がアイテムと財宝を収納する。


まあ、気にする事じゃ無いよな。


シャキイ


氷のゴーレムや氷の騎士、ゴースト等が出る。

強くは無い。

危な気なく倒す。


「普通に格上ですからね?」


「ん?でも、一体倒してもレベル1桁しか上がらないぞ?」


「普通は一体倒してレベル上がったりしません」


まだ4桁だしなあ。


にしても、そろそろ。


キシャア


氷の蛇。


ヒュ


鞭で巻き取り、


ガッ


叩きつけて潰す。


お。


「職業がカンストした」


「おめでとう御座います。何にクラスチェンジされますか?」


えっと。


トレジャーハンター

・宝探しが得意


ウェポンマスター

・全ての武具を上手く扱える。

・多くの武技を使用できる。


バトルマスター

・武器、格闘を含め、あらゆる戦術を使える

・多くの技を使用できる

・攻撃魔法、補助魔法を扱う


シャドウストーカー

・闇に生きる者

・各種暗技や、暗器を扱う

・闇魔法を操る


ニンジャ

・闇に生きる者

・忍術、精霊術を使う

・多種の武器使う

・クリティカルが出やすい


「これは、救済ですね。ネタ職業から、強い職業への道を示す、と」


「トレジャーハンターだな」


「それを選ぶと思いました」


トレジャーハンター以外を選ぶと、レンジャー系スキル失うしな。


クラスチェンジ。


思ったより強くなった気がする。

一応3次職、か。


「戦闘職の3次職なら、神がかった強さですからね?」


聞こえない。


--


ゴッ


俺のトドメの一撃が、氷悪魔の生命力を削り切る。


「・・・やれやれ、相当時間がかかったな」


4時間くらい戦っていた。


「むしろ、倒せる方が異常なんですけどね」


月花が半ば呆れて言う。


[LR]氷の薔薇


「これは何だ?」


「鑑定が必要ですね」


鑑定・・・取るか。


[LR]氷の薔薇

・任意の武器の形を取る薔薇

・冷属性


試しに念じると、長剣の形となった。

これは便利。


後は財宝とSR武具。


「魔石が有りませんが」


「ボス魔石なんてそうそう出る訳が無いだろう」


そして・・・ダンジョン踏破報酬の宝箱。


[LR]蒼月

・物理、魔法の混合属性の矢を放つ弓

・冷属性

・チャージする事で威力が上がる

・矢を複数放つ事が出来る

・矢に誘導属性を付与出来る

・状態異常、凍結を付与出来る


強そう。


「LRが2つ・・・凄まじい幸運ですね。流石ご主人様です」


月花が珍しく褒めてくれた。

理由は分かっている。


[UR]源氏の指輪

・基礎ステータスを2割増加する

・サムライへの転職が可能になる

・一定の確率で物理ダメージを無効化する


「・・・食べて良いよ」


あぐあぐ・・・


宝飾品は、基礎ステータスを上げてくれるのだけど。

食欲には敵わない。


残りの財宝類を月花が仕舞う。


ようやく1つ、か。

でも、幸先が良いスタートだ。

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