俺の青春物語はどんなもの?

@KISAPU

第1話 いつもの通りの日常

「…てよ……おき…よ お…きて」

誰かがどこかで僕を呼んでいる。その声は徐々に近づいてきている。

「起きてよ、お兄ちゃん 起きないなら……」

何か悪寒がし颯爽に目を覚まし起き上がると同時にvoteのカセットの山積みに置かれる足が視界に入ってくる。

眠い目をこすり目を凝らしてみる。

紺色の髪をなびかせながら、ツインテールが揺れている。

育ち盛りってのはいわば女の武器である隆起している胸も足をカセットに置いた反動で揺れていた。

童顔のようで、どことなく愛嬌もある笑顔でこっちを見つめていた。

ん? 綾瀬じゃないかぁ——————。 何? なんの笑顔ですかぁ! 絶対良からぬ事する気だろ。

「な、何してんだよー てか、どこから入ったんだよ」

僕は足を退かしカセットに飛びついた。

「何ってぶっ壊そうとしてるんだよ起きないから。 叔母さんに入れてもらったの」

「そんな事起きないからってやめてくれ。 あと、お兄ちゃんって呼ぶなよ ただの年下幼馴染だろ」

何故だか綾瀬は沈んだ不愉快な顔で続ける。

「はーい お兄ちゃん」

はぁー まぁいいや悪い気はしないからな。

「で? 綾瀬は何しに来たんだよ、用があるんだろ」

「あ、そーだ。 今日始業式だよ」

僕は慌てて時計を見るや否や、青ざめた顔で速攻着替えて綾瀬を置きざりにし疾風の如く駆けて行く。

「ちょっ、待ってよ 建一」

またいつも通りのそこそこの学校生活が始まりを迎えた。

綾瀬を置いてきたことを忘れ僕は教室に入室すると颯爽に席に着きヘッドホンで音楽を聴くと睡魔に襲われた。 やばっ、夜更かししすぎたか。

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