泡沫の願い
椎名 櫟
第1話 何度祈っても
愛する人の為に泡となれるのなら。
その時降るは、雨か星か。
何度彼女に頼み込んで、何人の私を犠牲にしたのだろうか。
ある時は声。
貴方に私の声が届かなくても心の鼓動は聴こえると、私の願いは届くのだと思っていたけれど。
私の声は儚く消えて空へと飛んで星になる。
嗚呼、今も上から星が嘲るの、
「また、駄目だったね。」って。
きっと、心のどこかで分かっていたの
諦めなきゃいけないって、
声なんて届かないんだって。
届いたって、私のことは見てくれないのだから。
何に期待しているの?
何に願い込めてるの?
儚く散った泡沫の私。
1周目の夢はここで終わる。
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