僕は試合に出たい!!

あきらさん

第1話

 僕の名前は、三井 寿夫ひさお。この夏の大会を最後に引退をする事が決まっている。

 だからこそ、最後となるこの大会だけは、なんとしても出場したいと思っているのだ!


 そしてロッカールームに集められた僕達は、監督のメンバー発表を固唾を飲んで待っていた。


「それでは3年生としては最後となるが、この大会のメンバーを発表する!名前が呼ばれなかった者は、残念ながらそこで引退が決まってしまうが、皆の為に裏方に徹して、チームをサポートしてもらいたいと思う!そして試合に出場する者は、出られなかった者達の分も、しっかりと全力を出しきって頑張ってくれ!」

「はい!」


 僕の実力的には名前を呼ばれるかは、本当にギリギリの所だ。

 どんなポジションでも良い!とにかく僕は、メンバーに選ばれて試合に出たいんだ!!


「それではメンバーを発表する!まずは1番ポイントガード、宮城 良太郎!」

「はい!」

「続いて2番シューティングガード、メガネ森 小暮!」

「はい!」

「3番スモールフォアード、流川山 楓!」

「うす!」


 残りは2人だ!


「4番パワーフォアード、素人だが頑張れ!桜田 花道!」

「よっしゃ!」


 あと1人!


「5番センター、ゴリラ!いや、赤木 剛憲夫!」

「はい!」


 あぁ~……ダメだった……

 全てのメンバーの名前が呼ばれ終わったが、結局3年間試合に出る事は出来なかった……


「6番ショート、坂本 ジャイアンツ!」

「はい!」


 えっ!?6番!? ショート!?


「続いて、7番レフト スズキイチロー鈴木!」

「はい!」


 えっ!?ちょっと!?ここって野球部!?


「名前を呼ばれるメンバーは残り少ないが、最後まで諦めるんじゃないぞ!3年生に対しては、この3年間の努力を考慮して、いつものポジションとは全く関係なく選考しているから、まだまだ名前が呼ばれる可能性があるからな!!」

「はい!」

「続いて8番センター、ガメラ松井!」

「はい!」


 やっぱり野球部だ!!俺が3年間頑張ってたのって野球だったかなぁ?


「9番ライト、大谷DH!」

「はい!」


 えっ!?大谷君はライトなの?DHなの?それとも大谷DHって名前なの!?

 ……まぁどっちにしても僕の名前は呼ばれなかったか……

 両親にも、この大会だけは絶対に試合に出るって言ってきたのに、本当に残念だ……


「続いて10番フォアード、ペレ木梨!」

「はい!」


 まだあった!?って、これサッカー部なの!?もう、自分が何部にいるのか分からないよ!!


「11番フォアード、大迫 半端ない!」

「はい!」


 だから、名前なのか何なのか分からん!!

 呼ばれた選手も、もっと疑問を持とうよ!!


 またしても名前を呼ばれなった僕には、試合に出る権利はもらえなかった……

 もう、ここまで来たら何部でも良いから試合に出たかったのに……


 結局こうして僕の夏は終わった……




「続いて12番クォーターバック……」


「って、アメフト部だったんかい!!もう、ええわ!!」

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