タイヤがタレてるのに、アクセルは全開。

右後のタイヤが吹っ飛んで僕は気を失った…。

……

気が付くとそこは病院。そうか、事故ったのか。

スーッ

病室のスライドドアが静かに開く。

｢あ、庵野気付いたのか｣

と入ってきたのは田中。

なんとも目の前で事故ったから、いの一番に電話したらしい。

｢お、田中。ありがとな｣

｢俺が後ろに居たからできたことなんだぜ？｣

田中が前にいたら、気づかなかっただろう。

｢サンキュサンキュ｣

ホントに感謝だよ。

｢八九寺さんたちはあとから来るって｣

｢おい、庵野！｣

と噂をすると八九寺達が入ってきた。

｢てんめぇ！タイヤタレてるときはスピード出すんじゃねぇよ！何してんだ！｣

と怒っている。

｢八九寺さん、病院なんだから静かにしなさい｣

と葛城が注意する。

｢つーか、RS-Xどすんの？｣

あ。忘れてた。事故ったんだよね。エンジンも無くなった…。

｢田中、ちょっとリーダーやっててくれる？｣

｢えっ？｣

一瞬悩んで、｢分かりました｣

と答えてくれた。

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