011話[GT-RLM]

首都高はいつも色んな車でごった返している。ハイスペックVitzや1000馬力GT-R等々。

今日は品川ふ頭で集会があり、それがTwitterで広がり一般者もいる。

駐車しようと探していると、見覚えがある人間がいた。

ひまそうだ。

「森じゃん。乗れよ」

「さんきゅ」

「ハコスカ、どうすんだ?」

「全部ダメ。歪んだりしてた。ごめんな、チューニングしてもらったのに」

「大丈夫だよ。タダにしてやる。ただーし、手伝いをすること」

「分かった。やってやるよ。じゃあ」

と森は降りた。

その後すぐに

コンコン

窓を叩かれた。

「やぁ。あのトレノを、オトした人だね。俺とやろうよ」

「いいぜ。車は?」

「GT-RLM。800馬力」

「GT-RLM!?」

あんなル・マンカーが!?

「ちげーよ。R33だよ」

あー、ロードゴーイングバージョンか。つーか、この目で拝められるとはっ…!

「じゃ、行くか。ルートは?」

「天王洲、日本橋、木場、天王洲の一周」

「了解」

ブォン!ブォォォン!

本線に入る。先攻を選ば

しばらく、GT-RLMの後ろを走っていた。

天王洲に入ると、アクセルを踏み込んだ。するとGT-RLMは後ろに行った。

800馬力だからなんだ?すぐに抜けるからってイキがってんのか?

GT-RLMは煽っている。

事が変わったのは日本橋。

GT-RLMは急加速し、やっと本気を出した。

やっと本気ガチ走行しだしたか。

右カーブでトラックが並走してきた。

トラックが勝てるわけねーな。

ゴトン

ギアを変えてトラックがブレーキした瞬間、すり抜けてやった。

……

「君速いね。でもうちんとこのリーダーには負けるけどな」

と男は言った。

「は?アクセル抜いてっからわりぃんだろ?」

イライラして口が悪くなったが仕方ない。

「ま、次のANTOとやるための"偵察"だな」

「やってもいいが、取引はしねぇぜ」

取引は嫌いなんだよ。

「取引?班長戦なのに?取引は絶対だ」

班長戦とは、班長リーダーの車を取引にチーム同士でバトルする。

負けた方の班長リーダーの車は無くなり、そしてチームも無くなり二度と走り屋の世界に来れなくなる。

「やってもいいって言ったかんな」

「わかった。ルートは?決まってんだろ?」

「天王洲から御徒町の11㎞。悪かねーよな?」

「わかった」

[班長戦だ]

とLINEしたら

[了解]

と帰ってきた。

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