第90話好きになった理由
ヒロインが主人公を好きになる理由を考えている。
これが結構難しい。
イケていない男子高校生を主人公に据えてしまったせいで、彼が女性から惚れられる理由が思いつかないのだ。
そもそも、どういう時に女性は男性に惚れるのか。
人生経験も恋愛経験も乏しい僕にはピンと来ない。
周りのモテる男性を観察してみると、イケメン、金持ち、トーク力がある、社会的地位が高い……などなど、色々と特徴はある。
ただ、これは大人の世界での話である。
高校生にとって大事なのは、顔、トーク力、運動神経、ファッションセンスといったところだろう。
悲しいことに、僕の小説の主人公はそれらのモテる要素を一つも持っていない。
僕自身の要素がにじみ出たようなキャラクターなので当然の結果である。
ライトノベルにおいて、ヒロインが主人公に惚れる瞬間を思い浮かべてみた。
ファンタジーでは、モンスターや暴漢から襲われているところを助けられたとき。
学園ものでは、何らかの障害を一緒に乗り越えたときが多い。
なるほど、女の子は助けられると惚れるのか……。
現実では違うのかもしれないが、ラノベの世界ではそういうことになっている気がする。
少しの勇気を出して女の子を助ければモテるぞ!
頑張れ、僕の作品の主人公!
そうエールを送りたくなる。
現実では女性を危機から救わなければならない場面になど遭遇しないし、そもそも僕には人を助ける力もない。
だからこそ、小説の主人公には僕の分まで、女性を助けてモテモテになって欲しい。
現実で報われない者の願望を叶えて、夢を見せる。
これも小説の魅力の一つだ。
ご都合主義だと言われようが、知ったこっちゃない。
現実的じゃなくてもいい、好き放題に書いてやれ。
僕は自分にそう言い聞かせた。
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