第2話 非日常
まぁいいかと思い寝ようとすると、
「ちょっと!寝ないでよ!」
と体を揺らしてくる。酔うからやめてほしい。
「俺に構うなって言ってるだろ?」
「いやよ、私のせいであなたが悪者になっちゃったんだから」
「悪者になるのは慣れてるからいいんだよ」
あの事件から夏川は俺に構うようになった。ならぼっちじゃないじゃん?とか思う人もいるだろう。あぁそうだ、昼休みはぼっちではない。だが教室に入ると夏川は北神達に連れていかれ、俺は1人になり、みんなから軽蔑の目で見られるのだ。
「あのなぁ、お前もわかるだろ?お前が俺と一緒にいるといろいろ面倒なんだよ」
「わかるけど、そんなに私と一緒にいるの、嫌?」
世の男性ならわかるだろ?こんな可愛い女の子が上目遣いで目をうるうるさせながら言ってくるのだ。断りにくいだろ?
「いや」
「はぅっ!」
だが俺は本当に面倒なので即答した。
「わかったわ」
あれ?こんなあっさりどこかに行くの?
『もっと早く言っておけばよかったなぁ』とおもい、これで周りの俺を見る目は少しでも変わるといいが。
「よし、寝るか」
数分後、寝る前に設定しておいたアラームが予鈴のチャイムと一緒に鳴り響く。すごくうるさいのですぐに起きれる。
「はぁ、行くか」
とあくびをしながら屋上のドアを開けると
「やっと来たわね」
「なんでここにいるんだよ」
夏川がいた。すごく機嫌が悪そうなのだがなぜだろう。
「こんなところで何してるんだよ」
「あなたが追いかけて来てくれると思ってたの」
「そんなの漫画の中だけだぞ?」
こんなことを話しながら、教室に着くとみんなから殺意の目を向けられる。そんなことはどうでもいい。ここからが面倒なのだ。
「黒輝!あれほど香帆と一緒にいるなと言っただろう!」
これだ。これが面倒なのだ。『毎日毎日こいつも飽きないよなぁ』と思っていると
「なんとか言ったらどうなんだ!」
「もうっ!光!いいかげんにしてよ!私が黒輝君に着いていってるだけなんだから!」
「香帆!俺はお前のために言ってるんだ!こんなやつと一緒にいるとお前まで悪い道へすすんでしまう!」
「光、お前はちょっと言いすぎだ!悪いな黒輝。でも光が言ってることはあまり間違っていないんだぞ」
「光も龍二も失礼でしょ!」
この地味にきついことを言ってくるのが、夜刀神 龍二〔やとがみ りゅうじ〕身長190くらいの短髪でコワモテ系男子だ。
2人を止めてくれたのが、山添 零〔やまぞえ れい〕身長は夏川より少し高めでポニーテールが特徴の女の子だ。
色々言われたあと北神が夏川を連れていった。溜息をついていたら
「ほんとあのバカどもがいつもごめんなさい!」
毎回こうして謝ってくれるのが山添のいいところだと思う。本当に。
「いいよ、山添はなにもしてないんだし謝らなくてもいいんだぞ?」
「それじゃ私の気がおさまらないの!それに黒輝君は香帆のこと見捨てたりしてなかったでしょ?」
「なんでわかったんだ?」
「私は武術を習っているから体の動きとかがわかるの」
「おぉーそれはすげぇな。あ、早く北神のとこに戻ったほうがいいんじゃないか?」
「そーね、じゃぁね黒輝君!」
「おう」
本令のチャイムが鳴り授業が始まる。授業中はだいたい寝ている。それでも成績はいつも10位以内に入っている。
「よし、じゃぁ今日はここまで!」
そう言うとチャイムが鳴り授業が終わり帰りのホームルームが始まる。そんな退屈な日常だ。
「はーいホームルームを始めますよー」
この人が1年B組の担任 佐藤 スミレ先生だ。この人の特徴は身長が145という低身長なところと童顔なところだ。あと、少しでも大人に見せようと髪を巻いていることだ。それでも子供っぽいが...
「それではみなさん!気をつけ...」
最後の挨拶をしようとしたその瞬間、教室全体に謎の紋様が浮かび上がり、光に包まれた。光が収まると教室には誰もいなくなった。
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