彼方の地点

@riisa0207

第1話 夢の交差点

「101番目の祭りが来るよ、

今年無事に祭りが終わるかは、あなたにかかってる、タクヤ」



『祭り?待ってなんだよそれ!俺何すればいいんだ!』

俺に向かってどこからともなく声がした。

懐かしい声だ。

誰だっけ……


気がついたら真っ白な空間に居た。

上下も天地もない。

混乱した頭を振りかぶり、あたりを見回す…


----------記憶をたどる


俺は、木本タクヤ。長野県の山中の高校3年生、特技は野球、ボジションはキャッチャー。

身長176センチ、65キロ。

ガッシリした体型で小さい頃から、ガキ大将だった。


この日は朝から幼馴染で2才年下、同じ高校の青山ユウキと川へキャッチボールに出かけたんだ。

ユウキは俺より2つ年下だけど、母親同士が親友で、同じ街で兄弟みたいに育った。

いつものように川原でキャッチボールをする。

ユウキが俺に向かって投げたボールが、俺を通り過ぎて川に落ちた。

このあたりの川は清流だが、流れがいくぶん急だから、ボールなんてすぐ下流にながされちまう。俺はボールが浮かび上がるのも待たずに、慌てて川に飛び込んだ。


そこまでは、覚えてる。

川に飛び込んだとき、川底に引き込まれたんだ。


それで、真っ白な空間、ここにいる。


ここは、どこだ…




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