火花を刹那散らせ

有原ハリアー

屋上にて(前編)

「いい加減、中途半端な関係を終えようぜ。達也たつや

「まったくだ。白黒はっきりさせるべきだぜ、アレン」

 俺こと藤沢ふじさわ達也たつやは、幼馴染のアレン・ランディスと、学校の屋上で睨み合っていた。



 というのも。

 俺たちは、二人同時に同じ異性を好きになってしまったのだ。

 その人の名前は、御陵みささぎ凜々花りりか


 俺たちは、彼女の人柄に一瞬で惚れ込んでしまった。

 けれど、彼女はどちらを選ぶことが出来なかった。


 だから、決着を付けることにしたんだ。



 俺たちは、屋上で火花が散るほどにお互いを睨んでいた。

「来いよ、アレン……!」

「お前がな、達也……!」


 互いをけん制しながらも、俺たちは一歩ずつ距離を詰めていた。

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