君がため
夏の暑さを心地よく思えたのは何歳までだったろう?
大人になってうちわはクーラーに変化した。
あの日、君は僕をプールに突然誘って来た。
僕は受話器の向こう側の震える声の君の気持ちも分からないまま…自転車で走り出していた。
君は瞳を赤くして突然、僕にキスをした。
唇の暑さに夏の暑さを忘れた。
夏の暑さを心地よく感じたのはあの夏までだったのか…。
9月に君は雨を残して消えた。
幼い僕にはベッドの中でうずくまる事しか出来なかった。
あの夏のプールの中に想い出も愛しさも捨てた。
抱きしめたかった!君のキスに答えを見出だせば良かった!
あれから僕は君の姿を探しては胸が張り裂けそうになった。
少年から青年、大人になった僕は夏の暑さを懐かしの君がために感じています。
君も忘れないで…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます