melody

転ぶ

君の隣

僕の体にペットボトルがあったら


何年間も空っぽのままだ。


隠したナイフを握りしめ


リンゴの皮を剥く


鳥たちは、まだ起きない僕をチュンチュンと呼びに来る。


朝が嫌いなのは未成年だからじゃない


記憶の狭間に君が見え隠れしているからだ!


忘れたはずの殺意にも似た恋。


切り裂いて破いた記憶を熱い熱いナイフが思い出される。


君は、行ってしまったんだね、9月の雨模様の中。


どしゃ降りになる前に消えるのは君の専売特許。


ああ、だから僕は叫ぶんだ9月の空は君の影だと!


僕の中にペットボトルがあったなら今は溢れんばかりの幸せな水で潤っている。


君を忘れて他の誰かの愛を受けて埋もれた。


楽しいとは違うかもしれない。


ドキドキとも違う。


包み込むようなナイフの鞘だ。


僕の尖っていたナイフに魔法がかけられてリンゴを剥く事はなくなった。


さぁ、始めてみよう、光の森へと誘われる。


だから僕は囁くんだ9月は大切な季節だと。

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