8.平和日常

さて、色々あったゴールデンウィークも終わり学校再開。そこで、遠足というイベントがあることを知らされる。

最後の遠足いい思い出作りましょう的なノリで、いきなり意見を出せと言われましても。

「山?」

つい先日まで行っていただろう!山は日常的にトレーニングコースにすらなっている。でも他に何があるんだ?アスレチックか?

「いや、たまには海もいいんじゃないか?最近暑いし。」

久松のくせにいいことを言う。

「あ、でも海水浴には早すぎるだな。」

「はっ、泳げないのか?」

「泳げるよ!・・・多分。」

「お黙り!それから久松も。この間体脂肪率測ったでしょー?君ら、水入ったら沈むよ。筋肉って重いからねー。」

恐ろしいことをいいよった。普通に海で泳いだら死ぬ感じじゃないか!

「あ、だからって中田、佐倉。彼ら後ろから突き落とそうとしたって無駄だからね?気をつけなよー。」


他の人たちからはちゃんと楽しげなところが出てきましたよ。遊園地とか水族館とか動物園とか。

普通ここは遊園地になるところなんでしょうけど。なぜか決まったのは結局屋内プール・・・スライダー付き。温水もある、浮き輪完備。

久松の海発言に流され過ぎだろ!まだ五月ですけど?

でもこの学校、六月には文化祭とかあるんですよ?で、夏休み明けの九月には体育大会、さらに十月には球技大会とな。いつ勉強する気だ?受験生のはずだがこのクラスに緊張感皆無。些か不安。


ああ、それから小林先生率いる筋肉同好会は、結局様々な部活動の休憩時間および休部のところを把握して、そこを縫うように各所に出没している。下校時刻後まだ物足りない時や、日曜など学校が開いていないときは道場に顔を出す、という感じです。


こう忙しいとなかなか考え事をする時間もない。結局普段通りの毎日が続いているが、たまに突発的な不整脈に見舞われる。トレーニング詰めすぎだろうか。

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