源三郎江戸日記(弟四部)35 それでは巡察にでようと、銘々が出掛けたのです、町を歩いていると屋台が沢山出ている場所に来たので、見て回ると温泉たまごを売っているので、二つ買うて食べて美


源三郎江戸日記(弟四部)35


それでは巡察にでようと、銘々が出掛けたのです、町を歩いていると屋台が沢山出ている場所に来たので、見て回ると温泉たまごを売っているので、二つ買うて食べて美味いと言うと、

娘が喜んでいます、お前はこの町のものかと聞くと、いいえ、ここから二里行った中津江村のもんですと言うので、もう日が暮れるぞ帰るには2時はかかるじあろうというと、姉さん、

が嫁にきています、


今日はそこにとまり明日明日かえります、まだ、たまごと岩魚とダイコンが残っていますと言うので、それは全部買ってやろうと言うと、湯治に来たのですかと聞くので、そのような、

もんだ、時田屋と言う旅籠の女将に渡してくれと2分銀を渡すと、お釣りがありませんがと言うので、釣はいらぬ取ておけと言うと、いいんだかと言うので、いいぞと言うと、ありが、

とうごぜえます、


今日は大儲けですと喜んだのです、お前の姉は何処に嫁にきているのだと聞くと、大工の喜助と言う人のところだよ幼馴染で2人でこの町で住んでいるだ、喜助兄さんは腕のいい大工、

だよと言ったのです、お前の村に厳島神社があるじあろうと聞くと、ありますが手入れしていた人が死んだので、今は朽ち果てているだ、村の庄屋も金がないので手入れできないのだ、

よ、


庭の草はわたしが時々刈っているだが、建屋は相当傷んでいるので、喜助さんに頼んで修理して貰っているが、材料を買う金がないだと言ったのです、喜助の家に案内してくれと言う、

と、こっちだよと裏側の長屋に案内したので、中に入り姉ちゃんお客をつれて来ただと言うと、姉の幸ですが喜助に何か用でと言うので、ああ建屋の修理を頼みたいのじあと言うと、


狭い家ですがと言うので、夕餉のしたくかと聞くと、ハイ、と言うので、何を作っているのだと聞くと、芋の煮と岩魚の塩焼きです、おみちが芋と岩魚をもってきてくれたのですと言、

うので、米はあるのかと聞くと、米と芋を混ぜて炊いていますと言うので、よし、前払いにしてやろうと言っておみちと米屋に行き、米10升と砂糖、酢、味噌、醤油を家に届けるよう、

に言って、


後はうなぎを売っているところはないかと聞くと、うなぎは二匹持って来てあるだ桶に入れてあるよと言うので、後は酒だなととつくり酒を買って家に戻ったのです、こんなに沢山、

これでは3月分ありますよと言うのでいいのじあよ、わしがお幸に料理を手ほどきしてやる、明日からそれを屋台で売るがよいというと、桶からうなぎを取り出しておろして6枚に、

にし、


醤油、砂糖、酒、酢を混ぜてタレを作り、七輪でタレをつけて、焼き始めたのです、お幸に焼き方を教えて、やらせたのです、喜助が帰って来たのでお前に、仕事を頼みたいのじあよ、

少し待っていろというと、ヘイと言うので、待たせていると、良い臭いがして来たのです、家の中と外に臭いが立ちこめるので、何だかいい匂いですねと言うので、これが美味いのじ、

あよと言ったのです、


さて焼けたみたいじあなと言って、皿に盛らせて家に上がりまあ一杯と言うと、おみちが酌をしたので一口飲み、みんな食してみろと言うと、食べて美味しい、泥臭くなくふっくらして、

いますと言うので、あのタレが秘伝じあ、あれに継ぎたして毎日タレを作り同じ味にするのじあよ、山椒をふりかければもっと良いぞ、ふつうのうなぎ焼より高くしても売れるぞ、飯の、

上にのせてタレをすこしかければ、うなぎめしの出来上がりじあと言うと、


おみちが明日はたくさんうなぎをもってきますだ、姉ちゃんこれを売れば大儲けできるよと言うので、そうだねお武家様有難う御座いますとみんなが頭を下げたのです、喜助実は中津江、

村の厳島神社を本格的に修復して貰いたいのじあ、あれは平家の守り神で安芸の厳島神社の分社なのじあ、修復費用はいくらかかるのであと言うと、500両はかかりますだと言うので、

手間賃含めて、


1500両だそう、明日から材料と大工を集めてやってくれぬか、金は両替商に預けておくので、必要な分貰ってくれと言って、両替商に連れて行き、千里屋の手形を渡すと、1万両ですか、

と言うので、無理かと言うと、いいえ大丈夫ですと言うので、それでは、それはそなたが預かつておいてくれ、喜助には1500両分好きな時に払い出してくれと言うと、承知しました受取、

り貰いますと言うので、


残りは後で指示すると言うと、ハイ村上様ですね今預かり書を書きますと言うと、書いて渡したのです、喜助にこれでいつでも払いだせるぞと言うと、しかし、何故ですかと聞くので、

わしは諸国巡察視なじあよ、この事は誰にも話すなと言うと、主人と喜助が幕府のお役人様ですかと言うので、これ、これ内密じあよと言って、郡代と日田屋の不正を正しに来たのじ、

あがと言うと、


中々証拠を見つけるのは難しいですよと言うので、まあまかしておけ、頼のんだぞと言うと店を出て喜助の家に戻ったのです、喜助には500両やろう、大工の棟梁とし奉公人を雇い本格、

的にやると良い、それでは飯でも食うと良いと言うと、一緒にどうですかと言うので、わしらは良い、うなぎがあまれば長屋の者にも分けよと言うと、長屋をでたのです、お幸が長屋、

の人におすそ分けしてきますと、


うなぎを持って出て行き、くばって帰って来てみんな大喜びですよ、おまえさん、よかったねと言うと、神様みたいなお役人だな、これで、この町も良くなるだろうと言うと、おみちが、

明日はたくさん持ってくるよと言うので、頼むよおみち、これでお父さんとお母さんも楽になるねと言うと、うん、姉ちゃん張り切って焼いてね、でもこのうなぎめしは美味いねと言う、

ったのです、


いよいよ棟梁だ、手間賃500両もくれて修復費は1000両だそうだ、立派な神社に出来るぞ、大きな鳥居も作ろう、手間賃も沢山貰えるので着物でも買いなと喜助が言うと2人は喜んだの、

です、源三郎は七衛門と居酒屋に入り酒と肴を頼み杯を重ねたのです、飛猿が戻ってきて、日田屋の蔵には5千両しかありませんが、地下に隠し部屋がありそこに2万両があります、隠し、

た積もりですよ、


賂は年に3回1千両づつ渡しています、横流しをやって得た金をの一部を渡しているのでしょう、陣屋の蔵には1万2千両程あります、郡代の屋敷には200両くらいしかありません、蔵に戻、

しているのですよと言ったのです、一部を毎年幕閣にばら撒き、残りは江戸の屋敷に送っているのじあろう、西国の代官からも賂は貰っているはずじあ、200両とは益々あやしいなと言、

ったのです、


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