第5話 急襲2
―――国会議事堂前。
開戦の合図である花火の音を聞いた弥生は腰を上げる。両手に得物の純銀のフォークを持ち、顔には天狗のお面を被り、門の前に立つ。
「
警備にあたっていた警官たちが声を上げると同時に銃を撃った。弥生はフォークで全ての銃弾を弾きながら、ゆっくりと近付き一人、また一人と倒していく。
戦いながら何人かは中に逃げていくのをわかっていながら見過ごし残った者は倒しきる。
弥生は軽く門をフォークで押すといとも簡単に外れ、中に入れた。その瞬間を狙い撃ちするかのように大量の弾幕が弥生を襲う。弥生は驚いた表情を見せず手を伸ばしてフォークを回転させる。扇風機の羽のように回るフォークは弥生のもとに一つの銃弾も通さない。
一分近く経ってようやく弾幕が止んだ。もちろん弥生は無傷である。
「お前、
国会議事堂に続く階段の途中に煙草を吸いながら座る男が声を発した。
「その通りだ。そちらを顔を見せたらどうだ?」
男は弥生の問いかけにククッと笑う。闇夜を照らす煙草の火の明かりが上を向き、元の位置に下がった瞬間。辺り一面炎に包まれた。弥生はフォークを一振りして炎を斬り防いだ。
これで男の顔がわかった。そして相手の人数も。
「ふん。炎王じゃないか。こんなところでお目にかかれるとはな」
「俺を見ても顔色一つ変えないとは肝が据わっている」
警察庁特殊三課課長森
「そのフォークめっちゃキラキラしてんじゃん。すげー欲しい」
「炎陽さん、敵を褒めることは止してください」
炎陽の隣に立つ眼鏡を掛けた男が注意する。彼が副課長であろう。
「いやだってよ、炎の光に反射してめっちゃカッコいいじゃん。これ絵にしたら儲けられそうだ」
弥生が想像していた人物像は音を立てて壊れていった。これではただの中学生ではないか。
「それは置いといて。じゃあ、始めようか」
炎陽は立ち上がり、首をコクッコクッと鳴らし手首足首を回す。
いきなりかよ、と心の中で怒鳴る弥生。フォークを力強く握り、臨戦態勢を取る。
炎陽は自分の手に向かって火を吹いた。装着している手袋が炎を纏う。外側は燃え尽きない布ででき、内側は耐熱性の布でできた手袋である。
戦闘準備ができた炎陽は一蹴りで弥生に肉薄する。燃える拳をフォークの平らな面で受け止める。弾き返そうと押すが逆に押しきられ弥生は後ろに下がる。炎陽は容赦なく追撃をかける。弥生は反撃する間もなく炎陽の攻撃を防ぐ。
防戦一方になるのは必然であり、予想通りであった。何故なら課長に務けるのは訓練所を首席で卒業した者のみと言っても過言ではないからだ。現在師団長、課長の内首席ではなかった者は一人しかいない。
それに対して弥生はその年の五番目の成績で卒業している。例え五番目であっても首席との差は歴然とある。超化剤から超能力を得ている時点で同等でないのにさらに基本スペックが一ランク上とか地球がひっくり返っても超えられる訳が無い。
「ウザいんだよ」
弥生は一回転して野球のバッターのようにフォークを振った。先端の方のカーブが終わる部分の側面で炎陽の腹部を捉える。
首席がどうした。課長がどうした。弥生はそれに勝たねばならないのだ。そのための努力はした。あらゆる方法を模索した。その結晶がこれである。
弥生は空中に投げ出された炎陽に先端を向ける。音もなく三つの又の間から光線が発射された。炎陽は空中にも関わらず身体を九〇度回転させ、内二弾を躱し、残り一弾は両手で受け止めた。光線は炎に相殺させられた。
何事も無かったかのように着地した炎陽はワッハハと笑った。
「凄い、凄いじゃないか。一瞬焦った」
炎陽の見下した言葉に嫌悪感を抱く弥生。炎陽はただ褒めただけなのだろうが、自分より弱いが大したものだと言っているようにしか聞こえない。
「テロなんて起こそうとするだけのことはある」
弥生は褒めちぎる炎陽を見てニヤッとするのを堪える。完全に無防備である。弥生は一人で戦おうとは思っていない。何のための狙撃手だ。優佳は何時でもどの戦場にも二人目として顔を出すことができる。だから多少の無理もできるのだ。
今回は敵の気を抜かすことに成功した。これほどの絶好のタイミングは今までにない。今まで撃ってこないなら今撃つしかない。
炎陽から突然笑顔が消え、真顔で左手を右肩まで動かし空を握った。手を開くと弾丸が落ち、地面に転がった。
知覚能力の高さと反応速度の速さに驚愕する。弥生ですら撃ったことに気付けなかった。全てにおいて完璧だった。優佳には何一つ落ち度はない。しかしこちらの予想を遥かに超える動きをした。
これが課長の実力か。納得せざるを得ない。そしてこれを超える存在がまだいることを。
「狙撃手がいるなんて聞いてないぞ」
「いやいや、資料をちゃんと読んでないでしょ。狙撃手捕まえるために一つの課が動いていると聞いていますし。確か四課でしたかな。だから気を抜かないでと言っているのではありませんか」
副課長が嗜める。しかしそれだけで加勢する感じではない。二対一でも支障はないと思っているのだろう。
「何処から撃ってきているかはわかったから、もう怖くはないよ」
炎陽はまた無邪気な笑みを浮かべる。
課長相手に出し惜しみしている必要はもうないと悟った弥生は炎陽に背中を向けて門に向かって走り出した。門の前で一飛び、門の柱の頂上を壊しながらさらに宙に飛んだ。その高さ約二〇m。
弥生はフォークを逆手で持ち、上半身を捻り、左足を高く上げた。
渾身の力でフォークを投げる。風を斬り裂き、怒涛の速度で炎陽を穿とうと一直線に駆ける。
しかし炎陽は危なげもなく躱す。それでもフォークは地面に突き刺さり、半径五〇㎝のクレーターを作る。
弥生の攻撃はこれで終わりではない。
弥生は自由落下せず、フォークに引き寄せられるように、フォークが辿った軌跡上をたった一秒で通過する。着地するとフォークをすぐに掴み、地面から抜くと間髪を入れず剣さながらに振った。
炎陽はフォークを取りに来るところにカウンターをしようとして大きく躱さなかった。それが裏目に出た。誰も軌道を変えてフォークの許に落ちてくるなど予想できなかった。炎陽も例外なく。クレーターができたことにより上手く地面を蹴れなかった。追い打ちをかけるように弥生の振ったフォークに襲われる。
月の光を反射させ輝くフォーク。しかし炎陽に掠りもしなかった。だがこのフォークはただのフォークではない。炎陽の胸を通過する前にレーザーブレイドが伸びる。レーザーブレイドの長さは約二五㎝であり、リーチが伸びたため数㎝胸を斬った。
弥生は更なる追撃をかけようとしたがもうそこには炎陽はいなかった。そして一拍遅れて炎陽がいた場所に弾丸が降り注ぐ。
「危ない危ない、助かったよ」
「だから気を抜かないでください。私の瞬足があったからまだしも、あと少しで蜂の巣になってましたよ」
炎陽は副課長に抱えられていた。炎陽は傷口に手をかざし、傷口を炎で炙って止血する。傷自体は浅いものだったので大事には至らない。
あと少しのところであったのにと思う反面、弥生に援護があるのと同じように炎陽にも援護があるのは当然だと思った。しかし瞬足とは厄介なものだ。
「まさか俺の耐熱服がレーザーの熱に負けるとはな」
炎陽の耐熱服は約一五〇〇℃まで耐えられるようになっている。しかし弥生のレーザーブレイドはあらゆる金属を斬れるように約二五〇〇℃に設定されている。よって炎陽の服は破けたのである。
「全力出さなきゃ勝てそうにないんだけど服が斬られちゃ全身に炎纏えないから誰か代わりに相手してやってくれ」
炎陽は実質戦闘不能になった。これは弥生にとって優位な状況になった。
「俺にやらせてください」
名乗りを上げたのはサーベルを腰に差す二十五歳くらいの男だった。
そこに弥生のインカムから優佳の焦った声が聞こえてきた。
『もう見つかった。これから援護できなくなるから。もう相変わらず私の邪魔をしてくれるわね、乃々華』
そうとだけ言って優佳からの怒りと呆れが混ざった声の通信は切れた。
こうなったら一人で戦わざるを得ない。果たしてどのくらいの実力なのだろうか。再び弥生はフォークを力強く握って臨戦態勢を取る。
――最高裁判所前。
作戦開始の花火を背中に感じながら二人の男が仁王立ちしていた。一時間も前から待機していた警察たちは花火の光を浴びてシルエットが浮かび上がって初めてそこにいることを認知した。
背が小さい方はひょっとこのお面を被り、上に羽織っている黒のコートは胸部までファスナーを締めている。背が大きい方は歌舞伎の隈取が施されたお面を被っており、背中には巨鎚を装着している。
「戦闘態勢に入れ」
指揮官が大きく声を張り、周りの者はその指示を聞き陣形を組む。
「遅え」
大河は腰に隠してあったリングを四つ手に取り、敵の塊に向かって投げる。上、真ん中、右、左と同時に投げたのにも関わらずバラバラに進む四つのリング。この四つが三角錐を描く位置に並ぶとそこで静止した。敵を囲むように配置された四つのリングは見えない静電気のような雷を発しており、この四つの雷が均等に作用することで静止したのだ。
「退避しろ」
指揮官は焦ったように叫ぶ。しかしもう遅い。放出する雷は溜まりきっている。
「
光ったと思った瞬間にはもうこの三角錐の中には無数の雷が轟き、迸る。中に居た者は為すすべなく全身を雷に撃たれる。
放出しきった四つのリングは弾けたように大河の許に戻ってくる。これが大河の得物、雷輪である。原型はチャクラムであるがそこに刃はなく、雷を発することで敵を倒すようになっている。
雷の光に気付き、数秒もせずに新たな敵が集まる。
大河の雷を喰らった者は例外なく感電してその場に倒れている。この惨劇を見た討伐隊の目に憤怒の炎が灯った。
「よくもやってくれたな、相川大河。それともう一人隣にいる奴は―――その巨槌は来斗か」
来斗はその声を聞き、目を丸くする。それもそのはず、声の主とは訓練所の同期だったのだから。
「佐須田徹」
その名を呟くように吐いた来斗。大河は名前を聞いて片眉を上げた。ここでの上官が誰だかわかったからだ。
警察庁特殊課五課課長佐須田徹警視正。来斗が訓練所を卒業したときの首席だった者だ。その周りには徹の課の先鋭が着々と集まっている。
その中に予期もしていない人物がいた。
「ようよう、見つけたやで、大河」
「何でお前がここにいる、漆!」
大河は吠えるようにその名を呼んだ。
漆は軍部の人間である。内地の事件を解決するのは警察と相場が決まっている。それなのに軍の人間がここにいることは如何にと思わざるを得ない。そしてこの場に漆がいるということは他のメンバーもいるかもしれないと勘ぐってしまう。
「チッ、作戦変更だ、来斗。来斗が課長をやれ。俺が取り巻きを片付ける」
「わかった」
来斗は表情一つ変えず頷く。流れる動作で背中の巨鎚を構えると静かに徹を見る。それはまるで機械と思うような生気のない瞳だった。
大河は雷輪を両手にボールを握るように持つ。来斗とは対照的に殺気がオーラのように、陽炎のように全身から噴き出ている。
最初に動いたのは大河であった。漆に向かって全速力で走る。漆との間に入ってきた敵の攻撃を軽々と躱し、逆に掌打を打ち込む。大河の掌打は只の掌打ではない。掌に包まれた雷輪により雷が打ち込まれるのだ。これを喰らった相手は感電により地面に崩れた。
漆は得物である金属製の鉤爪を装着する。爪の長さは約四〇㎝。大河が攻撃範囲まで肉薄すると残像が残るほど素早く振った。
攻撃パターンを熟知している大河は事無げに雷輪で受け止める。しかし熟知しているのは漆も同じである。そのまま一進一退の攻防が始まる。
大河の雷の光と金属がぶつかり合う音が響く中、来斗は徹のことを見つめていた。
徹は自分の身長より倍はありそうな得物、青龍偃月刀を背中から片手で取り、来斗に刃を向ける。
「まさか君がテロに加担しているとは夢にまで思わなかったよ。訓練生時代の君は雰囲気こそ今と変わらないが悪の道を進むような餓鬼ではなかったよ」
「俺はあのときから何も変わっていない」
「本当にそう言い切れるのかな?君の考えは何時もわからなかったが、常に信条たる何かを持っていたはずだ。正義とまで大層なものではないとしてもそれに近い何かを」
「俺は常に信条を持っている。今回も例外なくな」
そこで初めて来斗から感情が発せられた。怒りに近い感情が。
「君らしい表情になってきたよ。別に怒らせたかった訳ではないよ。昔のように君と手合わせできることが楽しみで仕方がないんだ。だってそうだろう?訓練生時代僕が唯一勝てなかったのは君さ。その君ともう一度戦える機会を与えられたんだ。これはもう僕に勝てと言っているようにしか思えない。それなのに本気じゃない君と戦ってもつまらないからね」
徹が唯一勝てないと言った瞬間、訓練生時代を知らない者、主に若い衆に動揺が走る。課長とは首席しかなれない。例外はあるが。そして成績がトップであれば言わずとも戦闘もトップ。そう思われるのは当たり前だ。成績の項目は全て戦闘に関するものであるから。そして訓練所で首席に一度も敗北しなかったのは来斗ただ一人である。
「俺はいつも本気だ」
徹にどれだけの敵意を向けられても、再戦の機会が巡ってきたと高らかに喜んでも来斗に何一つ変化はない。徹という旧知の仲の者であってもやることは変わらないのだから。
さあ、始めよう。そう言うように来斗の目に炎が宿る。さながら電源を入れられた機械のようだ。
前傾姿勢になると、その巨体からは信じられない速度で徹に肉薄する。否、巨体だからこそ爆発的な脚力を持っているのだ。
地面を破壊しながら突撃する来斗は大きく振りかぶって巨鎚を叩き込む。徹は躱すでもなく得物で受け止めるでもなく素手で、片手で受け止めた。徹の腕はそこだけ不格好に太い。徹の
「君の武器に武器で防ぐなんてしないよ。そう僕は君と一合もせずに勝ってみせる」
徹は来斗の得物を熟知している。そして対処法を熟考してきた。徹にとって一番身近な強者であるのだから。
来斗は眉一つ動かすことなく一歩下がる。そして頭の上に大きく振りかぶると地面に叩きつけた。
初めて見る行動を不思議に思いながら構えた徹。しかし持ち上げられた巨鎚を見て無意識に口が開く。
来斗の巨鎚には破壊したコンクリートがくっ付いていた。コンクリートの中の僅かな金属との間に磁力が生まれ、磁石鎚に吸い付いたのだ。
訓練生時代は訓練所を故意に壊すことは罰則を受けるためこのようなことはしていなかった。もちろん公共の場を破壊するなど法を犯している。まあ、こちらは仕事でやっていることなので目を瞑って頂きたい。
不格好に片側だけ膨れた磁石鎚は重さが二・五倍になり平らだった面が統一なくジグザグになっている。
徹は平らであったから来斗の攻撃を受け止められたのだ。腕の筋力が高いから。決して硬化の力はない。あんなものを素手で受け止めたら手の平に無数の傷ができる。これで徹が考え付いた攻略法の一つが消えた。
来斗は引き攣った顔をした徹にコンクリートのついた面で強襲する。来斗の攻撃は大振りなので躱すのは苦ではない。ひらりと躱した徹は来斗に青龍偃月刀の刃を振り下ろす。来斗は片膝をついて上半身を仰け反らせてコンクリートのついていない面、斥力面で受け止める。といっても青龍偃月刀と磁石鎚の間には三〇㎝ほどの空間が存在しているが。更にいうと徹の刃と来斗との距離は僅か五㎝もない。
ぶつかる音も無ければ、散る火花も無い。だがそこには確かに武器同士が衝突していた。鍔迫り合いを数十秒続ける両者。状況は来斗が圧倒的に不利なのだが、徹の刃は届かない。怪腕の超能力を持つ徹が単純な力比べで負けるはずがない。強化人間如きに。例え身体がデカくて力が強い来斗であっても。
だが現にこの力比べは拮抗している。それを可能にしているのが磁石鎚という武器である。磁石鎚の一つの能力に磁力固定というものがある。これにより磁石鎚を空中で固定することができる。
磁石鎚が動かない=磁石鎚が起こす斥力場が動かないということになり徹が幾ら怪腕を以って押し切ろうとしても微動だにしないのだ。
徹は幾度となく防がれてきたこの目に見えない防御膜が煩わしく舌打ちをして離れる。
片膝をついていた来斗はゆっくり立ち上がる。
だらっと垂らした腕から追撃はないと呼吸を整える。
パンっ───。
来斗はギリギリのところで引力で弾丸を吸い込み防ぐ。
発砲の主は雨庭であった。得物の銃剣には時代遅れを感じる。
雨庭の銃口は来斗の心臓に向いていた。同期だというのに容赦のない一撃だった。
「おいおいおい。せっかくの一騎打ちに水を差すな」
そこには怒気はないがガッカリしたように肩を落とした。大層残念そうに。
「総員構えるであります」
雨庭は号令をかける。この一騎打ちは徹が敗北することを確信していた。今まで全戦を近くで見てきたからこそわかる。歴代最弱の首席と言われてきた徹ももちろん強くなる努力をしてきた。訓練所を卒業したときより断然強くなっている。しかしそれは来斗も同じである。もしかするとS級と共にいるのでそれ以上に強くなっているかもしれない。例え徹に怒られようとも愛想をつかれようともこの戦いに首を突っ込まないといけない。敗北の2文字だけは許されないのだから。
一斉射撃をするが来斗は大きく後ろに下がりこれを躱し、更なる弾幕は小さくなり斥力で全弾を逸らす。
十数秒の弾幕で無意味を悟った雨庭は止めさせ、無傷の来斗は立ち上がった。
「大河!」
来斗は柄に無く怒号を上げる。徹や雨庭にとっては初めて声を荒らげる姿を見た。
「雑魚は引きつけるって言ったよな!」
大河と漆の戦いを一瞥して吼える。
大河は漆との一歩も引けない攻防をしているにも関わらず来斗の声を聞くとあっさり引いた。
「わかったよ。そんなにカッカすんなよ」
大河は雷輪中心に雷を集める。ピンポンボールくらいの大きさになったところでその雷丸を呑み込んだ。
致死量の電流が流れる雷丸を体内に取り込むなど正気の沙汰ではない。しかし大河は雷耐性を持っている。この程度の雷は痛くも痒くもない。
大河の髪は静電気を帯び、重力に逆らって垂直に突き立つ。更に皮膚から放電している。
「Let’s Party!」
大河はコートのファスナーを勢い良く開ける。すると触れてもいないのに中にしまってあったダガーが空中に浮かび上がる。
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