異世界さんぽ道~散歩中に異世界転移したから散歩を続行する〜
@makaroni1028
第1話 side俺
散歩はいいものだ。
全身全霊で街を、山を、海辺を歩き、全身全霊で一日を感じる。
頬を撫でる春のそよ風、照りつける夏の太陽、踏みしめる秋の落ち葉、肌を刺す冬の寒波。
あぁ、俺は日本を生きている。
さて、そんな俺だが、今日も散歩を楽しんでいる。
今日は少し足を伸ばして森林浴でもしようかと、隣町の森までやってきたわけだが……
「……神社かこれ?」
苔むして朽ちて今にも倒れそうな木造の鳥居がひょっこりと現れた。
「手入れされてないって事は今は何も祀ってないのか?ふーん……」
ここで、俺にちょっと魔が差した。
「……ちょっと、行ってみっか」
そう思って、意気揚々と鳥居に踏み込んだ。
「どこここ?」
鳥居を通り抜けて瞬きした瞬間、目の前の森が別の森になり、鳥居は消えた。
「…………あれ?帰り道は?あれ、これ帰れねぇじゃんよ!はぁー!マジかよぉ?!ウッソだろおい!」
『家に帰るまでが散歩』を心がけている俺にとって、家に帰れないということは『散歩が終われない』事を意味する。
俺は、家に帰れるまで散歩を決意したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます