　でも、本当に死は悪いことなのでしょうか。

　もしあのまま生き続けていたら？きっと今も苦しみ続けていたでしょう。救済もなく、きっと永遠に。

　それに比べて死んだ今は？今まで生きてきた日々よりも一番自由を感じ、これから地獄送りになるかもしれないというのにものすごく気が楽で心も軽いです。

　こんな気持ち、生前じゃ絶対にありえなかった。

　死後のほうが生きていると感じる。こんなの、おかしいですよね。でも、この気持ち、嘘じゃないんです。本当に。

　次は何されるんだろう、何しなきゃいけないんだろう、って何もかもに怯えながら生活するのは、本当に生きた心地がしませんでした。生きていたのに。息をしていたのに。辛くて苦しくて、前も見えなくて。私この先どうなるんだろう、ってずっと悩んでました。

　実は、自殺を図ったのは今回が初めてというわけではなくて、前にも何回か自殺を図っていたんです。でもどうしても少し怖くて、いつも直前ですくんでしまっていました。そういうときはいつも、立ち向かう勇気がなければ死ぬ勇気すらない弱虫だと、自分を責めることしかできまさんでした。

　もう死に恐怖を感じなくなったとき、やっと死ねたんです。何回も何回を失敗して、やっと。嬉しかったです。やっと終わるんだ、って。でも、全く後悔しなかったわけではありませんでした。なんでもっと頑張れなかったんだろう、なんでもっといい選択ができなかったんだろう。ずっと死にたいと思っていても、いざ死ぬ間際になると後悔しちゃうんですね。どうしてだろう。あぁ、もっとみんなと楽しく遊びたかったな。いろんなこと、頑張ってみたかったな、って。

　それでももうどうでも良くなっちゃってたんです。後悔なんて。もう楽になれるならそれでいいや、って。今のことしか見えなくなっちゃうんです。バカですよね。人生は一度しかないのに。