坂道

 ガラス越しに星を十個数えてから家を抜け出た。

 丘の頂上にある公園を目指し、くねくねした坂道を登って行く。

 この時間は人通りが少ない。堂々と道の真ん中を闊歩出来る。

 昨日はとても蒸し暑かった。今日は流れる夜風が心地良い。

 いつもは煩い虫の声も気分が良いので無視してやる。

 

 公園に着くと皆が既に集まっていた。

 夜の秘密集会に参加して情報交換を行う。

 星の数が十八個を超える頃に漸く解散した。

 帰ったら今日仕入れた情報を試してやろうと足取りが軽くなる。

 坂道と似た、くねくねの尻尾を悠々と立て、元来た道を下った。

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