名探偵 S・H

むーらん

第1話

 俺は珍しく妹にムーンサルト・プレスをキメられるより早く目覚めることができた。昨日の不思議探索は全員で図書館へ行っただけだったから疲れが少なく早く起きられたのだろう。今何時頃なのかと枕元にある携帯を探すが何処にもない。ベッドの下に落ちてしまったのかと思い床を見ると絨毯以外何も見当たらなかった。


 OK、落ち着け俺。俺の部屋は絨毯なんか敷いちゃいない。じゃあここは何処だ。周りを見渡すとかなり広い部屋で、隣には俺が寝ているベッドと同じものが置いてある。だがそこには誰も寝ていなかった。


 本命:長門、次点:ハルヒ、大穴:朝比奈さん(願望)、無印:古泉(機関)ってところか。長門のチョイスにしてはアンティークな部屋なので、どちらかといえば朝比奈さん寄りな気もするが。


 まあ誰だっていいさ。朝起きて見知らぬ所にいても平常心でいられる俺は相当肝が据わってきたのかな。


 ドンッドンッ


 ほらおいでなすった。何が起こっているのか知らんがドアをノックしている奴に聞いてみりゃ何か分かるんだろうよ。俺がどっこいしょと立ち上がろうとした瞬間、バーーーーーーーンと凄まじい音がしてドアがぶち破られた。そしてその侵入者は俺の額に何かを押し付けた。テレビでしか見たことがないが俺は直感でそれが何かを悟った。あぁ、みんなすまない。俺が謝る要素はゼロなのだが一応謝っておく。両親、妹、それからSOS団のみんな。俺はここで終わりみたいだ。


 目を瞑った直後、部屋に一発の銃声が轟き俺の意識は途切れた。

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