物語の始まりは異世界転生モノのコテコテで始まるかもしれません。
ですが、物語を読み進めているうちに私の心はどんどん魅了されていきました。
それはリエルという元魔王。彼女は既に魔王という立場ではありません。
平和になった世界を静かに生きているのです。
お分り頂けたでしょうか?
このお話は物語のメインクエが終わった後の世界(魔王討伐が終わった世界)なのです。
そこで、パイセン勇者という人物。
世界を救う勇者。
勇者を補助する女神。
そのドロドロな人間の中にキラリと輝く素晴らしい想い。
それに無駄にクセになってしまう文章。
ライトなのかヘビーなのか複雑な作品です。
カクヨムの風雲児とも酒呑童子とも名高い(かは知らんけど)作者様による痛快ファンタジー!
どこが痛快かって、主人公である勇者が異世界でも非モテなんです。
普通なら非モテが転生して勇者になったら、女神かパーティメンバーの誰かとくっつきそうなものですが、彼は片っ端から振られていきます。
振られまくって絶望のまま元の世界へ戻るタカユキですが、ある日出会った冴えないオッサンが自分のパイセン勇者であると知り、彼と共に再び異世界に行くことになるのですが……。
再び訪れた異世界では、衝撃の展開の連続となります。
絶望、怒り、嫉妬、諦め……様々な感情を爆発させた後でようやく訪れる恋。
けれどもそれをパイセンに引き裂かれ、再び絶望へと誘われるタカユキを待っていたのは最大級の衝撃でした。
果たしてタカユキは愛する者との平穏な日々を取り戻せるのか!?
最後まで展開の読めない、疾走感あふれる作品です(^^)