第2話ここから始まる
その男、有明圭吾という。年は42歳。
30歳で社内結婚、翌年に第一子誕生、二年後に第二子が誕生する。
仕事以外に趣味がある訳でもなかったが、家族のために必死に働く彼に不満は無かった。
収入が多い理由でもなく、ましてや仕事が楽な訳でもない。しかし、彼には家族を養う、幸せにするという義務があった。いや、義務と言うと強制的なニュアンスを含んでいるようで語弊があるかもしれない。彼にとっては家族の幸せが全てであって、第一優先。
そんな有明にとって、仕事とは収入という家族を養う、家族の幸せに直結した目に見える報酬があるため、どんなに大変でも決して苦では無かったのだ。
家族のために働く父。
しっかりとした大黒柱に支えられた、絵に書いたかのような四人家族。
そんな普通で、当たり前で、けれど幸せな日々はしばらく続いた。
しかし、やがてそんな日々も終わりを告げ、有明圭吾という普通の人間が送ってきた、普通の人生にも終わりが告げられる。
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