episode2 #6「形成逆転!」

 「いくわよ!!」


 柑菜はすかさずロックオン・デビルを撃ってきた。


 だが先程より炎美の動きが俊敏になっていて柑菜のロックオン・デビルが追いつけない程のスピードを出していた。


 「さっきより速い! でも…」


 しかし炎美は前後からロックオン・デビルの挟み撃ちにされてしまう。


 「ハアっ!」


 だかそれをものともせず、前方から来た弾を剣で斬っていった。


 「くっ!!」


 下唇を強く噛む柑菜。強く噛み過ぎて口の中から血が出てくる程に。


 「なら私の全力をみせてあげる!」


 そう言うと柑菜は最大火力の弾を撃ち続けた! 弾は四方八方から飛んできた!


 (流石にコレはキツイな!)


 回避不能!全弾斬るのも難しい状況!まさに炎美の絶対絶命の危機だった!!


 ---ズドオオオオオーーーーーン!!!!!


 避けられず斬りつける事も出来ず弾は又、炎美の方に向かって豪音を響かせて激突した。


 「ハア、ハア! 流石にコレをどうにかする事は無理だったでしょう?」


 少しばかり勝利を確信した柑菜。


 「陽炎・残身(かげろう・ざんしん)」


 だが炎美に奇妙な現象が起きていた。炎美の姿が薄くなっているのだ!


 「!! 透明化?」


 奇妙な出来事に驚く柑菜。しかし、薄くなった炎美は動くワケでも無くかといって消えるワケでも無い。


 「まさか!!」


 柑菜はようやくその正体に気がついた。


 (コレは透明化なんかじゃ無い! 薄くなっただけで消えるワケじゃない、動くワケじゃない! イヤ、動かせ無いんだ! という事はコレは残像いや…)


 「幻覚!!」


 そう言うと先程まであった薄くなった炎美の姿は消えた。


 「うおおおおおおおおおおーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」


 上から物凄い雄叫びが聞こえた。上を向く柑菜。するとそこには剣を両手で振り上げた炎美が柑菜に向かって飛んできた。


 「くっ! コレで終わり…っづ!」


 柑菜の両腕はガトリングの撃ち過ぎでオーバーヒートしてこれ以上撃つことができなかった。


 「おおおおおーーーーー!!!!!」


 炎美の振りかぶった剣から黒い炎を放出しその炎は炎美の体に纏わり付いた。その勢いのまま柑菜に向かう炎美。


 「おおおおおーーーーー!!!!!」


 (まさか、私の…負け…)


 柑菜は自分の敗北を悟った。そして自分の人生もここで終わるのだと思った。


 「お父さん、お母さん、ゴメンなさい」


 柑菜の目から涙が出てきていた。


 「おおおおおーーーーー!!!!!」

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