episode1 #2「ツインテ女子」
---「そう言えばスフィアってなんだ?」
情報収集する為人気の多そうなビル街へと向かっているがスフィアというのが何なのかはよく思い出せ無い。
(人の名前?それともお店の名前かな?)
まずそれだけでも思い出せ無いものか?
ドウゥゥーン
「おわっ!」
大きな騒音と地鳴りがして思わず驚いてしまった。
どうやらビル街の方から聞こえてきたが…
「どうすっかなあ~」
丁度向かっている所なのだが今行くと危ない気がしてきた。
「オラ~!!どけ~~!!」
急に前から男が飛んできた。
黒ずくめの男の前で着地するとそのまま横を通りまた飛んで行った。
「おわっ!」
(一体、何だったんだ?)
後ろを振り返るとさっきの男はもう姿が見えなくなっていた。
「??」
もう何が起きているのか理解が追いつか無かった。ただでさえ記憶を失くしているというのに…
「ああっ、せっかく捕まえたのに~!!」
すると前から女の人の声がした。前に向き直すと金髪のツインテールをした女が男の前に立っていた。
(ひょっとしてさっきの人を追いかけてたのかな?)
女は乱れた呼吸を整えながらこちらに向かって来た。
「ねえ、ちょっとイイ?」
女が男に話かけてきた。
「ハ、ハイ?」
あまり状況が飲み込めないまま返事をした。
「さっき、コッチに男が飛んできたでしょ。どっちに行ったか分からない?」
「え~と、よく見えなかったんですけど、多分真っ直ぐ行ったと思います」
女の質問に渋々男は答えた。
「そう、ありがと」
そう言うと女は立ち去ろうとした。
男の横を通ろうとした時、一瞬左の袖に「Sphere(スフィア)」と描かれているのが見えた。
「ちょっと待って!」
すかさず男は女の腕を掴んだ。
「ちょっ、あんた、急に何よ!」
流石にイキナリ掴んだものだから女は少しキレ気味に言った。
「ゴ、ゴメンなさい。1つ聞きたいことがあって…」
「はあ、何?」
少しイラついているご様子の彼女だが取り敢えず話を聞いてくれそうだったので男は彼女にとある事を聞いてみた。
「あの、失礼ですがあなた、『スフィア』さんですか?」
すると質問に対し彼女は、「はあ?」と首を傾げた。
そして少しの間、2人の中に静寂の空気が流れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます