地球侵略計画。

@yasu13

第1話

ここは宇宙船の中。

異星人達の目的は1つ。

地球を征服する事である。

「作戦の進捗はどうだ。」

「はい、順調です。手始めの侵略国として選んだ日本も後少しで完了するかと。」

「うむ、それは良い事だ。だが最後まで油断するなよ。時間も余り無いんだからな。」

地球の人類を模した二人の異星人達。

上司であろう男性はスーツに身を包み、真剣な表情で資料に目を通している。

その傍らに佇むのは女性の異星人。

澄ました顔で資料を読み耽る上司の表情を伺っている。

「うん? このケースは随分時間がかかっているな。説明してもらおうか。」

「あっ、見つけちゃいました……?」

隠していたテストが見つかった時の子どものようにバツの悪そうな表情を浮かべる女性異星人。

「見つけちゃいましたとは何事だ?! いいか、私達の侵略計画は完璧でなければならない。期限までに完全征服が出来なかった場合は撤退する事になるんだ。……予算の関係でな……。」

「えぇ~、じゃあもっと手っ取り早くやっちゃいましょうよー。この作戦じゃ時間無くなっちゃいますよー?」

「ダメだ。我々が欲しいのは荒れ地と化した星では無い。今のこの環境の地球なのだ。その為にはこの作戦が最善! ……の、はずだ。」

「ちょっと自信なさそうじゃん。」

歯切れの悪い言葉にボソっと呟く女性異星人。

その言葉が聞こえていたのかギロリと部下を睨む男性異星人。

それを誤魔化すように説明を求められていたケースについて話し出す。

「え、えぇっとですね。その男性の名前は椿結斗。交際相手は居ないのですが、意中の相手が居るみたいですね。」

「ほう。その相手とは上手くいきそうなのか?」

「いえ、そんな事もありませんね。ちなみに女性の名前は白藤芽衣子。我々の作戦にバッチリハマってますね。まだ最終段階には至ってないみたいですが。」

「なんだ、それなら簡単じゃないか。落ち込んでいる所に我々の有機アンドロイドを送り込めばすぐだろう?」

「それがですね、どんなタイプの者を送っても誰一人成功しないんですよ……。もうここまで来たらハーレム物の主人公みたいな環境なんですけどね。」

「ふむ……。直接観察してみるのが良いか。今後の参考になるかもしれんしな。」

「えっ! って事はここから出れるんですね!! やったー!!!」

最初の澄ました顔はどこにいったのか、コロコロと表情を変える女性異星人は飛び跳ねながら会議室を出ていった。

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