夢の世界からきたゆめちゃんseries1

@しげお

1話 始まり

セミの鳴き声が聞こえる夏の日。今日も早く夜にならないか楽しみにしている少年が1人いた。その少年こそが、今…。

「サンデーニュースです。本日、夢研究家の笹久保教授が新たな新発見をしたと、立教馬大学の広報担当者より発表がありました。新発見の題は…」

ピ!テレビのチャンネルを変える。

「また笹久保のやつ新発見をしたのか…。今度はどんな発見なのか。」

そう話しているのは笹久保の幼なじみでもある名川だ。

「あなた!早く行かないと、会社遅刻しますよ!」と名川の妻が声をかける。

「じゃあ、行ってくる。」

「いってらしゃい。」と、部屋の奥から妻の声が聞こえる。

車のエンジンをかけて、自宅を出発した。今は、IT企業の部長をしている。実力では、笹久保には勝てない。俺も夢に関するIT産業を行なっている。俺は久しぶりに笹久保に電話をしてみた。

鳴り響く電話のコール音。

笹久保は昔から中々電話に出てくれない。

すると…。

「名川。どうした?」

笹久保の声だった。

「あ…あー。ちょと、久しぶりに声が聞きたくてね。新発見をしたんだって?」

「うん。新発見と言うより、またあの世界に繋げたんだ。」

「あの世界?」

「そうだ。小学生の時の不思議な思い出だった、夢の世界へ繋がったんだ。夢の世界のゆめちゃんのね。」

「え!あれって本当だったの?!」

「名川…。お前まで信じてなかったのか…。」

「信じてなかったというか、本当にあったら怖いなって思っただけだよ。それで、研究は進んでるの?」

「うん。俺は、またあの世界に繋げたんだ。だから…」

「だから?ん?おーい。笹久保?」

スマートフォンの画面を見ると、電話が切れていた。再度電話をかけたが、笹久保はいつまでもたっても、でることはなかった。

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