クラスと最高年齢

「…どうやら、制度が違うみたいね…

 いいわ、ココの卒業までの流れを教えてあげる

 毎年昇格試験があってね、今Dクラスの人は、合格するとCクラスになれるの」

「…へ?2年生になるんじゃないの?!」

「A~Cの授業飛ばしちゃうじゃん!」

「A~Cで授業違うの!?!」

「そりゃそうよ、ココじゃ当たり前よ

 ユウのいた世界では違ったみたいだけどね」

「そういえば、何で皆簡単に異世界から来たって分かるの?(今気づいたけどさ…)

 そりゃ、ココに慣れてないの丸わかりだけどさ…」

「分かるわよ、転入生って紹介されたんだから

 普通この世界に住んでたら、入学式からこの学校にいるしね~」

「ぇ…他に学校は??」

「沢山学校あるわけないじゃん、ココ1つだけよ」

「…マジで?(普通校区とかがあって、学校一杯あるもんじゃ…)」

「マジよ、ユウのとこは一杯学校あったの?

 それはそれで凄いわね…」


ユウの反応を見て、学校が沢山あると分かったライナ

沢山の学校を想像しても、難しくて出来ずに諦めた


「ひとまず、話を戻すわよ

 ココでは、入学したて…つまり初めは皆Dクラスになるわ

 そして、さっきも言ったように毎年行われる試験で昇格する

 するとCクラスになるの

 それを繰り返してAクラスになる

 その学年では、実質成績優秀者よ」

「うんうん」

「で、Aクラスになると、進級テストが受けられるの

 それに合格すると、2年生のDクラスになるのよ」

「な…なるほど…ってか、それって…学校にいる期間凄く長くない?」


1年に一度の昇格試験や進級試験をコツコツやっていっても

4年に一度学年が1つ上がることになる

ココが向こうと同じ制度とは思えないが、9年の義務教育で考えると36年かかる計算だ

向こうの世界じゃ、結構いい歳と言える…というか、働き盛りな年代


「そうかな?学校にいる期間ってたかだか40~60年くらいだけど?

 10年生までは義務だから、最短だと40年ね

 まぁ、普通は学院に行くから…普通は5・60年学校生活ね」

「いやいや、40~60年くらいって!!!!

 人生ほぼ中盤から終盤差し掛かってんじゃん!!!」

「何言ってんの、私達の寿命最低でも2000年以上だよ

 40~60年なんて大げさな年月じゃないよ」

「…ゴメン、もう一回寿命言ってくんない?」

「?…最低2000年以上だけど…それがどうしたの?」

「長生きにも程があるよ!!」

「そう?一番長く生きた人は記録上8251歳よ?

 てか、最低2000年だからね…ユウだって2000年は軽く生きれるわよ」

「は、はっせッ…」


あまりの寿命の長さに、ユウは言葉を続けることが出来ないくらいに驚いた

単純に計算しても、前の世界の寿命の軽く20倍はある


「ま、立ったまま話すのもアレだし、教室入ろう?」

「あ…う、うん」


ライナに促されるまま、ユウは混乱した頭を抱え教室に入る

入った瞬間、癖なのか…ふとユウの目にあるものが映る


「…え?」

「ん?今度は何??」


少し興味津々なライナの声がユウの耳を通り抜けた

ライナは説明するのは若干面倒だと感じているが

ココの常識を全く知らないユウと話すのは楽しいと思っている

次はどんな常識について聞いてくるのか、少し楽しみである


「いや…時計の文字盤が…35とか…」

「うん、1日が70時間だからね~

 だから、1~35時まであるんだよ…

 あ、もしかして、ユウのところは1日70時間以上だった?

 そうだよね~、そうじゃないと40歳や60歳で人生の中盤、終盤って言えないよね~」

「いや…逆…1日24時間なんだけど…」


ユウの返答ライナが驚き固まる

そして、頭をフル回転させて考える

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