休憩時間

「は~い!ホウキの授業はココまで!

 1時間休憩の後、開錠魔法の授業よ

 授業開始時間には、教室にいること~!」

「「「はーい」」」


リーナの大きな声に生徒は元気に返事をして、それぞれ思い思いのところへ散って行った

グランドに残っているのは数人だけになった


「…は?1時間?休憩が?僕の聞き間違い?」


数人の1人、ユウ

ユウは休憩時間が1時間と聞こえ、1人首を傾げている

そこへ、ライナがやって来た


「ユウ、何首傾げてんの?」

「あ、ライナ!あのさ、休憩時間が1時間って聞こえたんだけど、僕の聞き間違いだよね?」


『うん、聞き違いだよ』という返答を待つユウ

しかし、ライナはキョトンとしてユウの望みとは違う返答をする


「え?1時間だよ!聞き間違えてないよ~」

「あ~、やっぱり聞き違いだよね…って、聞き間違えてないの!?

 1時間も休憩できるの!?!」

「え、うん…1時間休憩なんて、普通だよ?」


ライナの言葉に、ユウは唖然とする

学校の休み時間で1時間なんて聞いたこと無い

授業時間が1時間ならあり得るけれど


「…ねぇ、確認したいんだけど…今日は何時間目まであるの?」

「えっとね~、今日はね2時間目までだよ~」

「は?!少なっ!(テスト期間の時間割じゃん?!)」

「は?!普通だよ!時々4時間目までの時があるけどね」

「えぇぇ!!!?4時間目までが時々なの!?!」

「な、何でそんなに驚くのよ…」

「…僕がいたとこなんて、6時間目までが普通だから…」

「えぇぇぇ!?何でそんなに長い間学校にいなきゃいけないのよ~」

「…や、そうだけど…」

「まぁ、別の世界だから仕方ないわね~

 じゃぁ、時間割の事ちゃんと教えてあげるから、教室行きましょう!」


ライナの提案にユウは乗るしか無かった

魔法以外にも、自分の常識が全く当てはまらない

今のうちに少しでもココの常識を知っておかなければならない

教室に戻るために、校舎の入口目指して歩き始めた


「あ、そうだ…あと、かいじょう魔法って何?」

「それも!?開錠魔法は、扉を開ける魔法の事よ」

「あぁ~、開錠ね…でも、魔法なんか使わなくても、手で開けられるじゃん」

「そりゃ、家の扉とかは手で開けられるけど、

 学校の入口の扉とか隠し扉とかを開けるのは、開錠魔法じゃないとダメなのよ」

「あぁ…なるほど」


学校のデカい扉を思い出し、確かに魔法じゃないと無理だと思った


「ユウ、考え事しても良いけど、はぐれちゃダメだよ」

「そうだね…一人じゃ迷子になる…」


まだ開錠魔法も使えないユウは一人になると、何も出来ない

おまけに、まだ道が分からない…ので、迷子になる

ユウは前を行くライナの後ろをトコトコついて行く

そして校舎に入る扉の前に着いた

ココの扉も重く、手では開けられない

ライナは手を前に出し、パッと杖を出した


「開いて!」


杖の先が光り、扉に光がぶつかる

すると扉がギギギと開いた

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