独り身少女の高校生活
七条ミル
プロローグ
高校生になってから暫くしたけれど、別に友達はできない。周りはどんどんリア充になっていく。別にそれに危機感を抱いたりとかはしていないけれど、部員が三人でどうして成立するのか実はよくわかっていない文芸部に入ったけれど、大体みんな好き勝手にやりたいことをやっている。本を読んだり文章を書いたり、何の脚本なのかよくわからない脚本を書いたり。
ただ、恋愛感情というのは突然ふっと沸いて出るものらしく、私は小学校からずっと同じだった奴に突然恋をした。どうしてかはわからないけれど、なんとなく、好きになった。ただそれだけ。そいつはイケメンだし、私はこの通り陰キャ。なんで陰キャなのかな、と考えたこともあるけれど、簡単な話でただただ私が話せないから、というだけらしい。
なんだろう、すごい、報われてない。
小学校三年生のときに両親は交通事故で死んで、それからは学校や市役所が家のすぐ近くだったこともあって、学校の先生や市の職員にいろいろと助けてもらいながらなんとか人並みに生活をした。おかげさまで早いうちから自炊もできるようになっていた。家は決して大きくなかったけれど一応は一軒家で二階建て、トイレはぼっとんトイレだったけれど、むしろ下手な水洗トイレよりも臭いはなかった。
とりあえず、生活には何一つ困らなかったし、割と小学校だと友人が助けてくれたりした。
中学になってからはなんとなく私が一人でいることが当たり前になっていって、高校に入れば立派なぼっち。
でもだからといって今私はどうとか思っていない。なんとなく小説を読んで、ちょっとだけ書いてカクヨムに載せて、そんな生活でとても満足している。
でも、恋愛感情は徐々にでかくなっていくようで、なんだかんだ家も近い私はそいつがどんどん好きになっていった。
そいつの名前は市ノ川翔伍。なんだかんだイケメンで、結構女子には人気があるらしい。陽キャで私とはそんなに関係がないけれど、昔は両親同士の仲が良かったらしく、今でも時々市ノ川家の誰かが夕食やなんかのおかずを分けてくれたりする。
ただ、その程度で、学校では話さないし、やっぱりおかずを翔伍が持ってきたときに一言二言と話すだけ。やっぱり、好きになるタイミングっていうのはよくわからない。
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