エストフィアの決闘者

Pain

第1話プロローグ

「勝者!!!ヴェイン.ラグナス!」

汚ねぇ奴等が汚ねぇ金を回してる闘技場。ただ出てくる相手を殺すだけのルール無用のデスゲーム。そして勝つだけでもらえる莫大な金。そんな存在自体が違法な場所で、どこか飽きてしまったんだろう。俺は今日の勝利を境に闘技者を辞めた。

闘技者を辞めてから1週間が経った頃、意外な来客が俺の家に訪れてきた。こんこん、と木の乾いた音鳴った。俺はドアを開け、 「どなたですか?忙しいので出直してもらえると」

「あなたがヴェイン.ラグナスさんですね!お話があって参りました!」

子供…………?

「と、とりあえず忙しいのでまた今度…。」

「ちょっと待ってください!少しでもいいので!お願いします!」

半泣きしながらドアを叩いていた。流石に可哀想なので、家に入れ、話は聞くことにした。

「コホン…自己紹介がまだでしたね!私はエストフィア王国付属リフェン学園の学園長、エミリア.アーネルドです。気軽にエミリアで良いですよ♪」

「子供みたいなのに学園長とは意外ですね。」

「なぁ…!失礼ですねぇ…むぅ……。」

「すいません。では、話って何ですか?」

「そうでしたぁ!えっとですね、ヴェイン君には我がリフェン学園の生徒として、編入していただきたいんです!」

「は?なんで急にそんなことになるんですか。」

「ヴェイン君、君の過去はある程度把握しています。10歳にも関わらず、高等部で習う魔法解読ができ 、将来が期待されていた。だけど君が11歳の時、君の両親は突然亡くなった。それから君は学校に通うのを辞め、何故か忽然と姿を消し、その後君は4年間闘技者として活動していた……。」

「そこまで知っていてなんで編入なんてするんですか……。元闘技者が編入したら大騒ぎになりますよ。」

「大丈夫ですよ!国の方々から正式に認可が降りましたので。生徒には秘密で生活すれば問題はないのです!」

「しかしですね……。」

「それにあなたのお兄さんのことも分かるかも知れませんよ。」

「……。」

それも知っているのか。おそらく向こうはリフェンで正式な教育を受けさせ、軍に入隊させたいのだろう。ヴィストのことを知っているということは、俺の能力まで知っているんだろうな…。

「もし、断ったらどうなりますか?」

エミリアは笑顔で言う。

「闘技者ですので牢屋行きです♪」

「え、じゃあ編入します。」

結局拒否権は俺には無かったらしい。

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エストフィアの決闘者 Pain @ryokjm3201

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