詩集「ボトルメール」
愛してはいけない
私は何も愛してはいけない。
大好きな作家に手紙を送っても、二度と新刊が刊行されることはなかった。
大好きなバンドのファンクラブに入ったら、その翌日に解散が発表された。
大好きな俳優の舞台を観に行ったら、舞台から落ちて急遽降板していた。
大好きな漫画家のサイン会に行ったら、事故で右腕を折って中止になった。
大好きな友達と同じアイドルを好きになったら、迷惑だと縁を切られた。
大好きな人に想いを伝えたら、巻き込まないでくれと拒絶された。
大好きなお母さんは、産まなければ良かった、と言った。
大好きなお父さんは、私を置いて家を出て行った。
私は愛し愛されるなんて、望んではいけない。
それならせめて私だけは、私を愛してあげるべきだろう。
心の底から深く深く、強く強く。
私の愛に、私は耐えられるだろうか。
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