転生ギフトでドラゴンを貰いました。
銀狐
第1話 死んでしまった…
初めまして、
今作が『カクヨム』での初投稿です。
同時に、『小説家になろう』で同時掲載となっております。
現在、コンテストに応募しています。
読んで『面白い』と思った方、レビューやフォロー、応援をよろしくお願いします。
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ああ、これ死ぬな。
新崎亮、大学2年。
生まれてまだ19年。
19歳だよ?
まだお酒も飲めてない。
飲んでみたかったなぁ。
そうじゃなくて!
今死にかけてる。
というか死ぬ。
なぜこうなったかというと。
*
6月半ば。
大学に入って1年ちょい。
バイトもしていて不十分なく暮らせている。
「りょー。夏どっか遊びに行かね?」
話しかけてきたのは桐谷竜也。
名前通りチャラチャラしてる。
でもオタク仲間。
「どっかって…。夏は無理だよ」
「なんでー?コミケ行くことにしたの?」
「行きたかったけどバイトだよ」
「ちぇー。つまんねーの」
入れちまったんだからしょうがないだろ!
俺も遊びて―よ!
「今日もバイト?」
「そうだよ。じゃあ俺こっちだから」
「おう!がんばれよー!」
十字路。
竜也と俺の住んでるアパートは近い。
けどバイト先はもうちょっと先に行かないといけない。
車は少ないけどバイクの抜け道だから少し危険なんだよなあ。
*
ここ。
ここだよ。
バイクに引かれた。
しかもひき逃げ。
はぁ。
せっかくバイトして金貯めていたのに。
けっこう貯めたんだよなあ。
昔から絵を描くのが好きだった。
ペンタブで描いていたけど調子が悪くなった。
この際だから液タブを買いたい!
そう思って貯めていた。
それが全部パア!
余ったら断っていた竜也と遊ぼうと思っていたのに。
あいつが来ると女子も来て楽しいのに。
「竜也と遊びたかったなぁ…」
「龍?」
え?誰?
もしかして通行者?
それなら助けを呼んで!
「残念だけど、あなた死んじゃったわよ?」
「え!?」
俺声に出していたか?
まさかまさか。
そんなまだ19だぜ?
ボケるには早すぎるよ。
「残念だけど、亡くなったから年齢は関係ないわよ?」
「また声に出ていた!?」
あ、今は声に出したわ。
これは分かる。
「自己紹介が遅れたわね。私はあなた方が言う神様。名前はリーシュよ」
「あ、新崎亮です。初めまして」
「ふふっ。初めまして」
ペコペコしていたら笑われちゃったよ!
でも可愛いなあ。
それに背中に羽もある。
あと頭に輪っかもあるし。
どっちかというと天使?
「あら、可愛いだなんてありがとう。そうね、天使と言ってもおかしくはないわ。神様は神様でもいっぱいいたでしょ?そのなかに天使と同じ格好の神様がいたってことよ」
「なるほど。って、あれ?」
また声に出していた?
もうボケてるよな?
知らずに声出しちゃってるわ。
「ごめんね。実は心を読めるのよ。さすがにここまで気づかない人は珍しいけど…」
その微笑み。
心に刺さります。
「まあそれはいいの。実はあなたは亡くなったのよ」
「あ、はい」
はいじゃないけど。
もう薄々死んだなって分かってたよ!
だってここ俺と神様しかいないし!
そんな場所ないし!
「それでだけど、まだ19歳だったんだよね?やり残したことはない?」
「ありまくりですよ!」
「そうでしょそうでしょ?よかったら私が創った世界に来ないかしら?」
「創った世界?」
ゲームの世界ってスケールじゃないよな?
だって神様だよ?
マジで違う世界創ったの?
「マジよ。もう一つの地球って考えていいわ」
「というと似たような生活をもう1回過ごせるってこと?」
「残念だけどできないわ。私が創った世界だから中身は違うわ」
うーん。
それならやり残したことは少ないなあ。
でもせっかくのチャンスだ。
「ちなみにどういう世界なんですか?」
「簡単に言うとゲームの世界に似た感じよ」
「行きます」
「返事早くないですか!?!?」
しまった。
ゲームの世界って聞いて条件反射で答えてしまった。
でも別にいいんじゃないか?
そう思ってきちゃう。
「RPGみたいな世界なのよ。もちろん地球と違って命の危機もあるわよ?」
「う~ん」
でももう1回死んだんだよなあ。
チャンスあるなら受けたほうがいいに決まってるじゃん!
「それでも行きます!行かせてください!」
「ほんと!」
「ほんとです!」
「嬉しいわ!若い人が少ないうえに私のところに来た人は大体楽になりたいと言って断られていて心が折れかけていたのよ」
その人たちもしかしたらやつれていなかった?
これに関してはあまり話さないほうがいいかも。
「せっかく来てくれるならなにか特典、ギフトをあげるわ!」
「ギフト?」
「そうよ!これでもこの世界を創った神様!なにか欲しいものがあったらギフトとして渡せるわ」
ギフトか。
さっきゲームの世界に似ていると言っていたよね?
となるともしかして。
「魔法とか龍とかっているんですか?」
「もちろん!ここで言ってあげたいけど多すぎるからね。ごめんね?」
手を合わせて顔を少し横に動かすその姿。
グッときます。
「それなら龍、ドラゴンと一緒に冒険とかしたいです」
「ドラゴン?なりたいとかじゃなくて一緒に?」
「はい!一緒に!」
小さいころドラゴンの絵を見て憧れた。
野球少年が野球を見て憧れるのと同じ現象。
俺にはそれがドラゴンだった。
憧れから自分で絵を描いていたりした。
ほかにも人や動物、ケモ耳やらいろいろと描いていた。
それでもドラゴンを描くのが好きだった。
それほどあこがれていた。
「分かったわ。でも最初は卵からになるけどいいかしら?」
「構いません!」
「せっかくだし、もう2つ選んでもいいわよ?」
3つ。
よくあるやつだ。
死ぬまでにやりたいこととか。
なりたい職業とか。
3ってなんだかんだで便利だよな。
割り算だと嫌だけど。
「魔法を使えるようにしたいです」
「そう来ると思っていたわ!やっぱり憧れるのかしら?」
「地球を見ていたら分かると思いますがそういうことが無かったので…」
「そういうものなのかしら」
まあ神様から見たらそうでもないよね。
別の世界創っちゃうぐらいだし。
「あと1つは何がいいかしら?」
「できればでいいんですけど…」
「遠慮なく言ってちょうだい」
「神様、リーシュさんと通信できるようにして欲しいです」
「あら?」
可愛いから。
それも理由の一つだけど。
新しい世界へ連れて行ってくれる御恩人ならぬ御恩神。
できればまた話をしたい。
「そんなのでいいのかしら?」
「そんなのって。俺からすればすごくうれしいことですよ!」
「ふふっ。ありがとう」
もうその笑顔!
まさしく天使!
写真撮って待ち受けにしたい!
「神様と言っても本当は暇な時間のほうが多いわ。だから私としてもうれしいわ」
「いえいえ!」
「ドラゴンと一緒、魔法を使えるようにする、私との通信。この3つでいいかしら?」
「はい!宜しくお願いします!」
「了解です。ではこちらに来てください」
リーシュさんに近づく。
なんだろう。
すげえ緊張する。
「では良い新しい人生を。いってらっしゃい」
「行ってきます!」
リーシュさんの笑顔でのお見送り。
新し人生か。
なんだろうな。
さっきは緊張で今はワクワク。
今度こそ悔いのない人生を送りたいな。
新しい世界はどういう風景が広がっているんだろう?
*
「オギャー!オギャー!」
「おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」
俺は泣いていた。
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