転生するときに悪いことを考えると黒魔術しか使えないみたいですよ?
銀狐
第1話 転生
初めまして、
今作は『小説家になろう』で同時掲載となっております。
18/08/09 もう1つの作品を訳があって優先して書いております。
文字数が足りない場合などでコンテストを降りることがあります。
その時は申し訳ございませんm(_ _)m
また、場合によっては完全停止することもあります。
18/08/10 先に申し訳ございません。
こちらの作品はゆっくり投稿することにしました。
それに伴い、コンテスト応募も辞退しました。
この度は大変ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません。
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今まで何冊も好きなジャンルの漫画、小説、アニメを見てきた。
今の今までの高校2年までずっと見てきた。
そのおかげか、分かる!
はっきりわかるぞ!
俺、
そして死ぬはずなのに移動するこの感じ…転生するんじゃないんですか?
交通事故で血まみれで周りの人がこっちを見ているのが分かる。
おそらくみんなが見えていないこの光!
何か移動でもするような光だよ?
これは、転生できる!
未練がないかと言えばもちろんある。
この17年間彼女がいなかった。
つくりたくてもイケメンと言うわけでもなく、かと言って不細工でもない。
平凡すぎて何も特徴が無く、何も起きなかった。
それに大好きだった作品の続きが読めない…。
死にたい…。あ、今から死ぬんだった。
でも余裕だよな。
こんなこと考えてられる。
そうだなあ、転生したら何をしたいか考えようかな。
まずは強くなる!
今まではクラスに流されるような日常だったんだ。
こんどこそ、強くなって上に立ちたい!
もちろん魔法も使いたい、剣を握ってバッタバッタ敵を倒したい!
いやー、向こうに行ったらやりたいことがポンポン出てくる。
他には女の子と付き合いたい!
あわよくば…おっと、いけないいけない。
え?何を考えているんだ?
仕方ないじゃないか!今まで告白されたどころか告白もしたことない!
もちろん付き合ったこともない。
……俺の息子よ。
他にもいろいろ出てくるなあ。
あと――
「ふむ。面白いが、煩悩故心が汚れている」
「だれ!?」
急に視界が明るくなったと思ったらおじさんがいるよ…。
俺は可愛い女の子を望んでいたのに。
なんでおじさんなんだよー。
可愛い女の子をだせー!
「お主の『異世界に転生したい』という願いを聞いて来てみたらなんとひどいことを…。いや、待てよ。お主にぴったりな方法があった」
「え!?一体何なの!?」
「見た目もそのままでいいじゃろ。ではな。楽しみたまえ」
「なにがだよーーーー!!」
くそー!
明るくなったと思って立とうとしたら足元に落とし穴みたいなのが出てきやがった!
……まずくない?
落ちていくよ?
「おいいいいい!!!!ジジイいいいいい!!!」
「まったく。失礼な奴よ」
*
「あっぶねー。したが森じゃなかったら死んでいたぞ…」
落ちた先が森でたくさんの木。
これがあったから助かったけど、けっこう痛いんだぞ?
せめて地面に出してほしかった。
それとこの服。
なんか昔に戻ったみたいだ。
えーこれ、村人Aみたいな服じゃん。
もっとかっこいいのがいいー。
「ん?なんだこれ?」
服をパタパタさせたら一冊の本が落ちた。
うぇー、中二病みたいな真っ黒な本だ。
表紙には『黒魔術』って書いてある。
……黒魔術?
普通の魔法じゃなくて?
どういうこと?
とりあえず中を見てみようか。
「なになに、『この魔法は他の魔法とは違い、殺傷能力が強い魔法となっております(例外アリ)』…。は?」
え?
なんでそんな魔法を?
初心者だよ?魔法使ったことないんだよ?
いきなり殺せるような魔法って…。
ザ〇を使えるようになった気分だよ。
「何かで試してみたいけど…。あっ!」
「ギィ!!」
「ガガ!!」
おっと都合のいいことにゴブリン登場。
これは良い実験体が現れたな。
どれを使ってみようかな?
『
……絶対死!?
何その危ない魔法!
やばすぎだろ…。
「「グギャア!!!」」
「襲ってくるの!?えっと、えーっと、いいや!『
「「グゲ?」」
焦って使っちまったー!
って、不発?
いや、ゴブリンの足元から何か黒い煙が出てきた。
徐々にゴブリンを包んでいった。
……それだけ?
「「グギャアアアアアア!!!!」」
「え!?なに?何が起きているの!?」
いきなりゴブリンの悲鳴が聞こえてくるんですけど!
なに?成功したの?
真っ黒な煙のせいで中が見えない。
どうやったら消えるんだろうか。
「え、消え――消えてる!?!?」
黒い煙は消えた。
ゴブリンと一緒に。
どういうこと?
本当に死んだの?
遺体は消えたの?
全然分からん…。
怖いから封印しておこう。
「誰でもいいから人はいないのかなー」
「だれか!助けてええ!!」
「おっ!」
女の子の声!
そして何やらピンチっぽい!
これはチャンスだ。
わざとらしいかっこつけをしないこと。
助けるのは当たり前のように。
そう、そうすれば俺にもチャンスがあるはず…。
「今行きまーす!!」
あ、これ聞かれたらダメだな。
……ダメみたいです。
声の方へ草を乗り越えるためにジャンプした先にもういました。
これは、恥ずかしい。
「だ、だれ!?助けに来てくれた、の?」
「そう!助けに来た!」
ペタンと女の子座りしている女の子。
スカートなのにいい座り方のおかげで見えないようになってる。
な、なんてかわいい子なんだ…。
年は同じっぽい。
高校にいたら学校のアイドル…いやいや、テレビにでていてもおかしくない。
茶髪で肩にかかるこれぞ女の子!っていう外見。
これで性格がよかったらきっと天使だ。
というか神!拝みたいレベル!
「足を怪我しているの…」
「おっけー、わかった。敵はあの狼?」
犬、ではないよな。
何せあんな牙犬にないもの。
それに身体も犬に比べてでかい。
二足歩行になったら二メートル超えるんじゃない?
「そうだけど…。戦えるの?」
「大丈夫。ちょっと待ってて」
俺が突然現れたのか警戒している。
よし、それなら先手必勝だ!
「くらえ!『
「ワン!」
「ワンワン!」
「その狼は速いわ!遠距離で攻撃するならもっと速いやつじゃないと!」
初めて使った魔法だけど、思った以上に遅かったみたい。
俺から見たらけっこう速いんだけどなあ。
『
ちょうどよさそうなのあったじゃん!
ならさっそく。
「それならこれだ!『
「キャウッ!」
「ワン!ワンワン!」
よし!当たった!
さすが電気、すごく速い。
何せ光なんだ。
音よりも速い。
逆にこれを避けられたらこの狼、狼を超えている。
「もう一発!『
「キャンッ!」
もう一発も命中!
いい感じいい感じ!
さっき初めて使ってからにしてはいい方でしょ!
どう?さっきのかわいい子!
……なんでお口ポカーン?
俺、なにかやっちゃった?
「強いんですね…。びっくりしちゃいました」
「そうなの?でも無事でよかったよ」
そういうことね。
よかったー。
何かやっちゃいけないことでもしたのかと思った。
っと、足を怪我しているんだよね。
何か回復できそうな魔法はないかな?
「あったあった。ちょっと足を見せてもらえる?」
「えっ!?ちょっ!待って!?」
「すぐ終わるよ。『
俺は足を持って自分の足の上に置いてケガが見えやすいようにした。
回復って書いてあるし、回復するでしょ。
これで回復しなかったらうそつきの本って名前にしてやる。
って考えていたけどしっかり回復してくれてる。
徐々に傷が塞がってなかったように回復してる。
……それにしても足まできれいだな。
あんな傷、宝石にキズをつけるようなもんだ。
「えっと、その…ありがとうございます」
「どういたしまして。違和感とかはない?」
「ないですが、その、この格好は…」
「ご、ごめん!!」
ああ!やっちゃった!
焦って見ないで退いちゃった!
もったいない…。
こんなかわいい子のを見なかったなんて…。
というか見たらドン引きだよな。
「えっと、大丈夫?めちゃくちゃ顔赤いけど」
「その、私の国では他者に恥ずかしいところを見られてはなりません」
「そりゃそうだよね、ごめん…」
「それで、恥ずかしいところを見られたらしないといけないことがあります」
ああ、これってあれだ。
犯罪をしたから警察に捕まるやつと一緒。
転生してさっそくお縄につくのか…。
でもこんなかわいい子と話せたんだ。
まだいい方でしょ。
今すぐにでも逃げ出したい。
でも背徳感のせいか体が動かない。
「そ、それでしないといけないことは…?」
「家族になってもらうことです!」
「それって…つまり…」
「私と結婚してもらいます!!」
「えええええ!?!?」
まさかの結婚!
さっきまでの暗い話とは真逆。
え?俺とこの天使ちゃんと?
名前も知らないんだけど…。
ちょっと待って、いきなり俺の目標達成?
いやいや、聞き間違いっていう可能性ある。
自分の都合のいいように聞こえてしまったかもしれない。
「も、もう一度聞かせてもらっていい?聞き間違いかもしれないし」
「うー…!私と、結婚してください!!」
嘘じゃなかった―!!
まじで!?いいんですか!?
もう詐欺でもいいや。
こんなかわいい子と結婚したなんてどうせ夢だろうし。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「!!よかったあ。あ!私はリリア・セル・ランデックと申します。えっと、旦那様は?」
「だ、旦那様!?」
「その、名前を知らないので…」
「あ、そうだね。名前は井上雄二だよ」
「イノウエ・ユウジ?変わったお名前ですね」
「ユウジが名前ね。英名だと逆だから、ユウジ・イノウエかな」
「イノウエ…イノウエ…うん!いいですね!リリア・イノウエ」
「そ、そう?」
語呂悪そうだけど。
でもそんな笑顔で言われたら否定できないよ…。
ああ、カメラがあればなあ。
撮ったら写真一枚で千円以上儲かれそう。
「では旦那様」
「はい!何でしょうか!」
「ふふっ。面白い旦那様」
「あ、あははは」
背筋ピーン!
仕方ないじゃないか。
今まで女の子と付き合ったことないんだし。
それにこんな美少女だよ?
ムリムリ、平常心で話すなんて。
さっきから緊張しっぱなしだよ。
ゴブリンや狼と戦った時以上に。
「それでどうしたの?」
「両親に報告をしたいので、私の国に来てほしいのです」
「へぇー国か。じゃあ行こ――私の?」
「はい!私こう見えても王女なんですよ?」
こう見えてもっていうか、見た目通りなんですが!
っていうか王女様と結婚?
……やばいことをしてしまったのでは?
王女様に手を出したとか国についた瞬間打ち首になりそう。
ああ、やっぱり死は近いみたい。
「どうしたんですか?さあ!行きましょう!!」
その笑顔には逆らえない…。
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