千日目
「やっと…完成した」
千日目。僕は博士と共にいた。
博士は
どうやら待ちに待った"ココロ"が完成したようだ。あれから千日。ずっと心待ちにしていた"ココロ"。あまりの
僕は博士の足に抱き着いた。少しでも喜びの念を伝える為に。
「待たせてごめん」
博士はその場に膝をつき、僕を強く抱きしめる。僕も博士をぎゅっと抱きしめたく思ったが、どうも腕の長さが足りない。仕方なく、白衣の裾を掴んだ。
「後は君にこのプログラムをインストールするだけだ」
博士はそう言って、僕の手を引いた。その先は起動したカプセル型の装置で、「入って」と
「次に君が起動した時、"心"があるはずだ。その日を楽しみに待っているよ」
博士はそういって僕の頭を撫でた。相変わらず
何より、僕に"ココロ"があれば博士とずっと一緒にいられるのだ。博士の言っていた「話し、精進し、一緒に笑いあえる日」が待っているのだ。それだけではない。苦しいことも辛いことも、時には一緒に泣くような日もあるだろう。そんな日に、博士を支えられるのだ。
その為の少しの間のお別れ。その為なら僕はどんな悲しみも我慢できる。
博士はカプセル型の装置に
そんな博士の笑顔を最後に、僕は
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