203話 高月マコトは、光の勇者と語る

「高月くん。待たせたかな?」

「今来たところだよ、桜井くん」

 なんかカップルの待ち合わせみたいな会話になってしまった。


 俺は二杯目の麦酒エールを。

 桜井くんは果実水を、幾つか食べ物も注文した。

 飲み物が揃うと、乾杯をして、しばらく雑談した。


 桜井くんが魔王を討伐して以来、太陽の騎士団の士気が上がっているらしい。

 訓練が大変だよ、と笑っていた。

 さっき元気が無いように見えたのは気のせいだろうか。


「ところで、高月くんに相談があるんだ」

「……どうしたの?」

 桜井くんの表情が真剣になった。

 どうやら、ここからが本題らしい。

 

「この前の『獣の王』と戦った時、……僕はもうダメだと思ったんだ」

「……ああ、確かに結構危ない場面だったね」

 あの時の話か。

 もう、終わったことだし、反省は次に生かせばいいんじゃないかな? 

 運命の女神様もやる気出してたし。

 そんなことを考えながら、麦酒エールをこくこく飲んだ。


「高月くん、大魔王との戦いで僕は『命を落とす』可能性が高い。その時、僕の代わりに他の勇者たちと大魔王を倒してくれないか?」

「…………?」

 桜井くんが変な事を言い出した。

 俺が首をかしげていると、桜井くんがぐいと迫って語気を強めてきた。


「高月くん、どんな時でも冷静に対処できるキミなら相手が恐ろしい大魔王といえど……」

「ちょっと、待った。桜井くん」

 俺は違和感を感じて、桜井くんの言葉を中断させた。


「確か、運命魔法で『光の勇者が大魔王に殺される』って予知がされてるんだっけ?」

「あ、ああ……そうだ。だから、僕は高月くんに……」

「殺された後の対策ってできないの?」

「え?」

 俺のセリフに、桜井くんがぽかんと口を開ける。

 その顔だと考えてなかったのか。


「世の中には、死んだ後に復活できるスキルがある。多分、アイテムでも同等の効果のものもあるはずだよ」

「そんなものが……?」

「俺はそのスキル保持者と会ったことがあるから間違いない」

 つーか、さーさんなんだけどね。

『アクションゲームプレイヤー』スキルの『残機』の能力。

 

「しかし……それほどの効果となると『国宝』もしくは『神器』クラスになるんじゃ……」

「別にいいんじゃない? 『国宝』でも『神器』でも。桜井くんが負けたら人類はお終いなんだから」

「確かに……しかし、そんな凄まじい魔道具があれば、ノエルが知らないはずないから」

「むぅ……そっか」

 確かに桜井くんにべた惚れのノエル王女が、気付かないはずが無い。

 ……が、俺はひとつ心当たりがあった。

 イラ様なら……イラ様なら知ってるんじゃなかろうか? 

 女神様だからね! それくらい知ってるっしょ!


「俺は知り合いにあたってみるよ」

「うん……ありがとう。高月くん。すまない、どうも最近弱気になってしまって……」

「桜井くん……」

 やっぱり元気が無い。

 うーむ、どうやって元気づければいいんだろう……?

 くっ、上手い言葉が思いつかない陰キャな性格が恨めしい!



「辛気臭い顔してるわね、勇者が二人して」

「やっほ、高月くん、リョウスケ」

 俺と桜井くんが、色々話し合っていると突然二人の女の子から声をかけられた。

 逆ナンか!? と思ったら、両方知り合いだった。


「あれ? 姫と横山さん?」

「サキ、それにフリアエも。どうしたんだ?」

 フリアエさんは、いつものドレスっぽいワンピース。

 横山さんは、いつもの鎧姿でなくブラウスにスカートというカジュアルな恰好だ。


「男二人で飲んでてもつまらないでしょ? 来てあげたわよ」

「邪魔するねー」

 フリアエさんが俺の隣に。横山さんが桜井くんの隣に座った。

 って、嫁と愛人コンビじゃないですか!?

 ええんか? と思ったけど……この二人は、普通に仲良いんだよな。

 ノエル王女とフリアエさんは仲悪いけど。


「どしたの?」

 俺が小声でフリアエさんに聞いた。

「街をぶらぶらしてたら、聖剣士さんに会ったの。で、私の騎士とリョウスケが二人で会ってるって聞いたから遊びに来たわ、文句あるの?」

「別に無いけど」

 いいんかなぁ……昨日、ノエル王女が怒ってたけど。

 まあ、バレなきゃいっか。


「もう話終わったよね? リョウスケ忙しいからさぁー、仕事だと一緒だけど、オフだと遊べないし」

 横山さんが唇を尖らせる。

 うーむ、クラスメイト一の美少女はやっぱり可愛い。


「何、人の嫁に見惚れてるのよ」

 フリアエさんに頬を引っ張られた。

「見惚れてないから」

「フリアエと高月くんって仲良いね?」

「そ、そうかしら!? 普通よ!」

 横山さんの言葉に、フリアエさんが慌てて手を放す。


「フリアエは元気そうだな」

「あなたは元気がないわね。リョウスケ」

 フリアエさんがずばっと言うと、桜井くんは少し悲しそうに微笑んだ。


「そうなの、この前の魔王軍との戦い以来リョウスケが元気なくって」

「ふうん、聞いてあげるわ。言ってみなさいよ。あ!その前にワインが飲みたいわ!」

「私はサングリアかな~。ここねー、お酒の種類が多くて料理も美味しいの」

「ねぇ、聖剣士さん。この魚のパイ包みって美味しい?」

「美味しいよ! あと、この野菜のテリーヌとエビのフリッターもおススメ!」

 フリアエさんと横山さんが、きゃっ、きゃと言いながらメニューを選んでいる。

 一気に、場が明るくなった。

 女の子がいると華やかでいいね!

 桜井くんも、いくぶん顔が明るくなった。


「そういえば」

 と横山さんが俺の方を向いた。


「フリアエにも言ったんだけど最近、教皇猊下の動きが怪しいの。高月くんって邪神の使徒なのよね? 教皇様と神殿騎士には気を付けて」

「気を付ける?」

「どーいうことだ、サキ?」

 横山さんの言葉に俺と桜井くんは首を捻る。


「リョウスケは教皇猊下から親しくしてもらってるから気付きにくいと思うけど、教皇様って他信仰に対して非常に厳しい御方なのよ」

「……知ってるわ。今代の教皇になって月の国の難民への弾圧が激しくなったもの」

 フリアエさんが忌々しそうに爪を噛んだ。

 確かに……どうも俺やフリアエさんは、目の敵にされている気がする。


「なんでも昔、教皇様の両親は『蛇の教団』のテロに巻き込まれて亡くなったらしいの。それ以来、『蛇の教団』に復讐心を燃やしてるって……」

「……それは先日、達成されたんじゃなかったっけ?」

 ハイランドの国家認定勇者アレクが、『蛇の教団』のアジトを壊滅させた。

 教皇様の復讐は完遂されたのではなかろうか。


「それが……最近は第二の蛇の教団を生み出さないため『悪の芽を摘む』と言って、影響力が大きな『魔人族』や『他の神の信者』をリストアップしているって……」

「それだと高月くんやフリアエが、当てはまるんじゃないのか……?」

「なんて面倒なやつなの……」

「潜在的犯罪者リストを集めてるってこと……?」

 教皇様が予想以上にヤバイ人だった!


「でもね、いいニュースもあるわよ」

 横山さんが俺を見てニコッと笑いかけた。

「高月くんが、白の大賢者様の守護騎士になったじゃない? 大賢者様って教皇猊下でも手が出せないから、結果的に身の安全は保障されたわよ、高月くん」

「そっか! 高月くん、まさかこれを見越して?」

「ま、まあね」

 桜井くんと横山さんが超好意的に解釈してくれた。

 あんまり深く考えてませんでした……。


「俺はいいとして……姫が心配だな」

「ふん、大丈夫よ。月の巫女が、女神教会に嫌われているのは今更だから」

「でも、気を付けてよ。今日みたいにフラフラ一人で出歩くのはやめた方がいいわ」

「そうね、ありがとう」

 横山さん、いい子や。 

 

 それから、しばらくは料理を食べながら雑談をした。

 特に先日の対魔王戦については、盛り上がった。


「桜井くんの魔法剣強かったなぁー」

「練習でも、あんなに高位の天使の力を借りられたことはないんだけどね」

「そうなのよ。高月くんが近くに居るとリョウスケって凄く調子が良いのよ」

「そうなん?」

「そうなんだよ! だから、高月くん僕の部隊に入ろう!」

「太陽の騎士団の訓練は大陸一厳しいって言われてるからなぁ……」

 一人で修行するのは好きなんだけど、軍隊って団体行動だからちょっと……。


「大丈夫、僕が一緒に居るから!」

「桜井くん、手が痛い」

「リョウスケ、酔ってない?」

「なに? あんたらデキテるの?」

「なんでだよ」

 そんなくだらないことを言い合えるくらいには盛りあがった。

 

「リョウスケ、元気になったかも。やっぱり高月くんと会ってもらってよかった」

 ふっと、横山さんが笑った。


「健気ね、公私でリョウスケを支えるなんて。光の勇者の婚約者の立場なら、もっと楽ができるんじゃないの? わざわざ戦場まで出張らなくても」

 フリアエさんが呆れたようにため息をついた。

 確かに横山さんの負担は、相当な気がする。


「まぁ……ねぇ。でも、リョウスケの側で戦えるのは私くらいだし……」

「他のクラスメイトも、みんな強いスキル持ってなかったっけ?」

 水の神殿にいっぱいいた連中はどうしたんだ?


「強いスキルがあっても、使いこなせないとね。やっぱりベテランの軍人のほうが強いんだよ」

 桜井くんが複雑そうな顔をした。


「ふうん……そんなもんか」

 俺は『水魔法・初級』で今でも頑張ってるのに。贅沢な連中だなぁ!

 まあ、ノア様から賜った『精霊使い』が強いからね! いいけどね!


「でも光の勇者の婚約者は、その子を身籠ることが一番の役目なんでしょ? 焦らないの? 聖剣士さん」

 お酒が入ったフリアエさんが、ニヤリとして踏み込んだ質問をした。

 桜井くんが、困った顔をしている。ま、そやろね。


「うーん……子供かぁ。私まだ十代だし、今すぐ母親ってのもさぁー。あと、リョウスケの副官だから、婚約者の中で一番長く一緒に居られるし。ノエル王女より私と居る時間のほうが長いからね」

「ふーん」

 確かに、実は一番身近な恋人が横山さんなのかも。


「……まあ、それに……避妊してるだけで……ちゃんとしてるし。ね、リョウスケ?」

「あ……うん」

 横山さん、酔ってない!?

 そこまで生々しい話はいらないです!


「あ、ああ……そう」

 フリアエさんは自分で話題を振ったくせに、赤い顔をしている。

 案外、うぶですよね? フリアエさんって。


「た、高月くんはアヤちゃんとは最近どう! あの子、高月くんのお嫁さんになるんだ!って宣言してたし、もう結婚した!?」

 流石に変な空気と気付いたのか、横山さんが話題を強引に変えた。


「……結婚とかはまあ……そのうち」

「ちゃんとかまってあげてる? アヤちゃん子供が四人欲しいって言ってたから、高月くん頑張らないとね!」

 微妙に話題が戻ってないですかね!?


「あ、うん……頑張る」

「高月くんってソフィア王女の婚約者でしょ? それに、ルーシーさんって可愛いエルフの彼女もいるじゃない? アヤちゃんとの二人の時間取ってる?」

 横山さんからの質問攻めが止まらない!?


「え、えーと、ぼちぼち?」

 すいません、修行ばっかであんまり取ってないです。


「んー、怪しいなぁー」

 横山さんがじとっとした目で俺を見つめる。

「アヤちゃんと最後にシタのはいつ? 白状しなさい!」

 横山さん、絡み酒だー!


「サキ、高月くん、困ってるからさ……」

「リョウスケは黙って! さあ、答えて!」

「……うぐぐ」

 困った。

 ここで適当に答えても、横山さんとさーさんは友達なので、すぐばれそうだ。

 ここは正直に……。


「そもそも、私の騎士は童貞よ?」

 フリアエさんがはぁーやれやれ、と言いながら暴露した。

「え?」

「ええええっ!?」

 桜井くんに、横山さん、そんな驚いた声ださなくても!


「高月くん……アヤちゃんとは一緒に旅してるのよね?」

「僕が言うのもなんだけど……もう少し相手をしてあげたほうが」

 ぐっ、クラスメイトに諭されるのはなんか気恥ずかしいな。

 さて、どう返そうかと思ったらフリアエさんが先に口を開いた。


「私の騎士は、夜中の2時まで修行して朝誰よりも早く起きてるから、恋人を構う暇がないのよ」

「「……」」

「別にいいだろ。俺はスキルが弱いから修行しなきゃなんだよ」

「ちょっとくらいは、休んでもいいと思うわ」

「一瞬の油断が命取りなんだよ!」

「言ってる意味がわからないわ……」

 自分でもよくわかりません。

 

「高月くんは、いつもそんな生活なのか?」

「いつから、そんなこと続けてるの?」

「異世界に来たその日から」

「「……」」

 二人が黙ってしまった。


「リョウスケ、あなたの幼馴染、変態よ」

「高月くんは、強いわけだ……。他の人と鍛え方がまるで違う」

「あんまり褒めると、調子に乗るわよ、私の騎士が」

 なんか、酷い言われようだ。

 あと、多分褒められてないよ? フリアエさん。


 そんな感じで、飲み会はお開きになった。

 桜井くんは、ちょっとは笑っていたように思う。

 少し元気になったかもしれない。




 ――帰り道。




「飲み過ぎたわ……」

「この前の逆だな」

 俺はフリアエさんに肩を貸しながら、宿への道をゆっくり歩いた。


 そういえば、俺と姫だけだと邪神の使徒と、魔人族のコンビだな。

 ……念のため、索敵をしておくか。

 さすがに神殿騎士に襲われたりはしないと思うけど。


「ねぇ……私の騎士」

「ん? なに?」

「私……前はリョウスケのことがちょっと好きだったの」

「そっか」

 返事をしたあとに気付いた。

 前は? 今は違うのだろうか?


「月の国から全く出たことがない私は、世間知らずだったわ。敵だらけのハイランドで、一人だけ優しかったから勘違いしちゃったのよ。もしかしたら、リョウスケも私を好きなんじゃないかって」

「桜井くん、天然の女たらしだからなぁ……」

 もっとも、桜井くんもフリアエさんに好意的だったと思うけどね。

 でも、やつは婚約者が二十人もいる身だし、好きになる相手には少々ハードルが高いか。


「最近は私も見聞が広がったわ。私の騎士に振り回されたおかげね」

「へぇ、それはよかった」

 ここ何ヶ月かの旅は、フリアエさんにとって良い経験だったらしい。


「姫に、次の良い出会いがあるといいな」

「……あんたって……わざとなの?」

「なにが?」

「そのきょとんとした顔をやめなさい、ムカつくわ。……ねぇ、私の騎士。あなたが一番大切な人って誰? 水の国の王女様? 魔法使いさん? 火の国の勇者さん? それとも……他のだれか?」

 酔っているフリアエさんが潤んだ瞳で尋ねてきた。


「一番……?」

 んー、一番と言われると、異世界に来て最初に知り合った……


「ノア様かな?」 

 最初に俺を信頼してくれた女神様ひと


「それ、女神じゃない……はぁ。まあ、そことくっ付く可能性はないから、まだマシね」

「くっつく?」

「何でも無いわ、宿に着いたわね。私もう寝るから。お休み、私の騎士」

 そう言うとフリアエさんはさっさと自分の部屋に入っていった。


 意外にその足取りはしっかりしていた。

  



 ◇翌朝◇




 俺が宿で修行をしていると、ドタドタと足音が聞こえてきた。

 この音はふじやんだ。

 先日も似たようなことがあった気がする。


「タッキー殿!」

兄弟ブラザー!」

 が、隣にピーターがいる点が違った。



「来てくだされ!」

「大変だ兄弟ブラザー! 今すぐ来てくれ!」

「な、何っ!?」

「「いいから!」」

 俺はよくわからないまま、外へ連れだされた。

 向かうのはハイランド城の裏手にある軍人の運動場のようだ。



「ふじやん、ピーター。どうしたんだ?」

運命の女神イラ様が、降臨されました!」

「イラ様が降臨?」

 あの女神様は前から居るはずでは?

 いや、ちがう。

 それを知っているのはノア様やエイル様だけだった。


「そうだ! 他国には出てこない運命の女神イラ様が、ハイランドの民を元気づけるためってことで急遽、降臨が決まったんだ」

「これはタッキー殿も誘わざるを得ないと思ったわけですぞ!」

「すげぇなぁ、藤原さん。もうそのチケットはプレミアでとんでもない価格が付いてるぞ!」

「三枚手に入れるためにどれほど財をつっこんだか!」

「兄弟! 今日は最高の日だ!」

「はぁ……?」

 俺は二人のテンションについていけない。

 そういえば、ふじやんとピーターは運命の女神イラ様の信者だっけ?

 言われるがままに目的地へ向かった。



 ――ハイランド城の裏手にて。



 普段は、軍部の人たち以外は立ち入り禁止らしいのだが、今は人でごった返していた。

 すべて運命の女神イラ様の信者らしいのだが、どうも様子がおかしい。



 ――イラ様★命!


 ――イラ様★LOVE!


 ――イラ様のためなら死ねる!



 などの文字が書かれた、法被はっぴ団扇うちわを持った男たちが集まっている。


「はーい、順番に並んでください―」

「割り込みはいけませんよー、イラ様はルールを守らない人が嫌いですー」

「グッズの購入は、お一人3点まで! 転売はダメですよー」


 スタッフらしき人が、拡声魔法で案内をしている。

 な、なんだこりゃ? 


「ささ、我々はこちらに」

「藤原さん、VIP席なんて初めてだぜ!」

「ふふふ、実は拙者もですぞ!」

 ふじやんとピーターのテンションが高い。

 一体何が始まるんです。


 その後、運動場は120%の超満員となった。


 ……ざわざわ、と何かを待つ人々の熱気が凄まじい。


 そして、その時は訪れた。


 周りが暗闇に包まれる。


(敵襲⁉)

 びっくりしたが、どうやらただの光を遮る『結界』だ。 


 そして、次に舞台にスポットライトが照らされた。

 あれは……太陽魔法の照明ライト……かな?


 そして、そのスポットライトの中に一人の可愛らしい女の子が立っている。

 って、あれエステルさんだ。

 ひらひらキラキラのドレスを着ているから、一瞬わからなかった。

 つーか何が起きてるんだ……?



 ――運命の女神の巫女エステルさんが口を開いた。



「はーい☆ みんなのアイドル、イラちゃんだよー☆ わたしのために、こーんなにたくさん集まってくれてありがとうー☆ 今日は、い~~~っぱい、楽しんでいってねー☆」




 …………………………は?


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