2001年7月31日(火)

 驚天動地。

 今日は意外すぎる光景を目撃。

 とはいえ、まずは――時系列順に日記を記していく。




 昼過ぎに、携帯電話で、長谷川くんとキキラの家に電話をかけた。

 しかし両方とも出なかった。……そこでまずはキキラの家に向かう。

 以前、住所だけは聞いていたので場所は分かった。自転車を走らせる。


 キキラの自宅はすぐに分かった。

 古びた、お世辞にも綺麗とは言えない一戸建て。

 ……確かにこの家に住んでいたら、私の愚痴など確かに「贅沢」だろうな、と思った。


 そしてキキラは不在だった。……と思う。

 何度チャイムを鳴らしても、中から誰も出てこない。

 居留守の可能性もあるけれど……。キキラー、みなもよー、と叫んだけれど、返事はなかった。




 仕方なく、次は長谷川くんの家に向かう。

 途中、雨が降ってきた。服がずぶ濡れになる。

 天気予報では晴れだと言っていたのに、あてにならない。

 また熱が出ないかと不安になりながら、自転車を走らせ、長谷川くんの家に向かった。




 仰天した。




 長谷川くんの家の近くで、私は彼を目撃した。

 すると彼は、あの工藤教諭と親しげに会話を交わしていたのだ。

 そして彼らは――近くの人目を気にしてから(私はとっさに、自転車と共に電柱に隠れたし、雨も激しかったのでおそらく見つからなかった)、キスをしていたのだ。


 なにをしているのか、と思った。

 こんなときに、教師と生徒で、いったいなにを……。




 雨は土砂降りだったけれど、見間違いでは絶対にない。

 長谷川くんと工藤教諭。彼らはいったい……。

 彼らはやがて、やってきたタクシーに乗り込んでその場を離れた。

 私は混乱しつつ、自宅に戻り、冷やした身体を温めるためにシャワーを浴びた。


 浴びたけれど……。




 長谷川くん。工藤教諭。

 あなたたちは、なにをしているの?




 追記


 雨のせいで、ポケットに入れていた携帯電話が壊れた。これは叱られそう。

 買いなおさないといけない。……父は多忙だから、買いなおすのはいつになるやら。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る