第18話 雨の話

朝、目覚めると外は雨が降っていた。


学校へ行くために身支度を整え、朝食を食べます。

何時もの通学時間に家を出て、駅に向かう。

何気なく前を見ると、「黄色いレインコートを着た女性」が道路の反対側に立っています。

何をするでもなくただ佇んでいる。

「変な人」

程度に思い駅に向かいます。

電車に乗りドア際に立ち外を眺めていました。

大分離れた道路にまた「黄色いレインコートを着た女性」を見つけました。

その女性もただ佇んでいるように動きません。視界から消えるまで。

学校のある駅までは5駅あります。

4駅目を過ぎた時にまた少し離れた道路に「黄色いレインコートを着た女性」が立っています。見えている間動きもしないで。


黄色いから目立つのか、たまたまなのか。


駅に着き学校へと歩いていると、また道路の反対側に「黄色いレインコートの女性」が立っていました。その時友人が声をかけてきたので女性から目を離し友人と話していると女性のことは忘れていました。


授業を終えて帰路に着きます。

雨はまだ降り続いています。

駅までは何事もなく、電車に乗り3駅過ぎたところで少し離れた道路に「黄色いレインコートを着た女性」を見つけてしまいました。

 「偶然だよね」

駅に着き家路を急ぎます。


居ました。

道路の反対側に「黄色いレインコートを着た女性」が佇んでいます。

怖くなり走って帰りました。


家に着き安心したのかすぐに眠ってしまい、夕食で家族に起こされて食卓でレインコートの女性の話をしましたが皆に笑われておしまいでした。

夜も更けてベッドに入り寝ました。少し微睡んでいるといきなり金縛りにかかりました。体が全然動かせずにいると耳元で


「見てたでしょ」


女性の声が聞こえましたが、喋れません。

もがいてるうちに寝てしまったようです。気が付けば朝でした。


外は晴れています。

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