祭りと女
@11245
第1話
夏祭り
人通が多い道、そこに出店がずらっと並んでいた。恋人同士、家族連れなどいろんな人々が行き来して、渋滞を起こしていた。そんな中、七人ぐらいの男女のグループがやってきた。沢山ある出店に目をキラキラ輝かせる。
「わたし、りんご飴が食べたいな」
「私はチョコバナナ」
自然と男女のカップルができる中、一人取り残される女性がいた。
その女性は、暗く地味目の見た目で皆彼女を気にせずに祭りを楽しんでいた。
そんな光景を見て、憤りを覚え、震えている。
「あ、ごめんトイレに行きたい」
りんご飴を持った彼女が言う。
「じゃあ、ついていったあげるよ」
「いいわよ、一人で行くから」
可愛らしげにそう言い、軽く断る。
トイレへ行った後ろ姿を見送ると、地味目の女性もトイレへ行くと言うが、誰もついてこようとしなかった。
数分して帰ってきたのは地味目の彼女で先に行った女性ではない。
「あれ、夏菜子は?」
そう軽い気持ちでいうと
「今、もうすこし時間がかかるって」
「そっか、じゃあ待って……」
「先に行ってほしいそうよ」
そう言い、皆の背中を押した。
「たく、いつまでわかかっているのよ」
なかなか出てこないことに怒りを覚え怒鳴り付けようとトイレのドアを開ける。
そこには喉に割り箸が刺さり生き絶えた女性がトイレにもたれていた。
祭りと女 @11245
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