五時五十分発の恋

本田 そう

第1話 五時五十分発の恋

僕は朝練の為、毎日、始発の二本目五時五十分発に乗る。

ある五月の日、僕は彼女に会った。


「漫画やドラマなんかの、一目惚れなんてあるわけない」


僕は、そういつも思っていたが‥‥‥

そう!僕は彼女に一目惚れをした。


けど、声を掛けれない。それは‥‥‥いつも彼女は部活?の女友達三人と一緒。


僕は、彼女をいつも遠目で見つめる毎日。

そんな日が一ヶ月続いた、六月のある日

彼女は一人で居た。


次の日も、また次の日も一人で居た。


そして‥‥‥僕は忘れもしない八月三十一日


いつもの朝練の五時五十分発に乗る為、駅のホームに立つ僕。そして彼女。


僕はいつもの様に遠目で彼女を見つめてた。

そして、 次の瞬間彼女が‥‥‥消えた。


「えっ? どこえ? ‥‥‥まさか!」


僕はホームから下を見ると彼女が倒れてた。

しかし周りの人達は彼女に気づかない。


「早く助けないと」


時計を見ると五時四十五分、


「まだ間に合う!」


僕は線路上に降り、急いで彼女の元へ。

そして彼女を抱きかかえた時‥‥‥


「パァアアアアアア!」

と、電車の汽笛と共に電車が目の前に‥‥‥


「そ、そんな馬鹿な‥‥‥」


僕は彼女を抱きかかえながら、間一髪のとこで、電車を交わした。


「もう大丈夫‥‥‥えっ‥‥」


僕が抱きかかえた彼女はいなくなっていた。


「君!大丈夫かね!」


「えっ‥‥‥?」


時計を見ると五時四十五分、時間が戻っている。


いったい、どうなっている?


この後、僕は駅員と共にホームに戻った。


「あの五時五十分の五分前の出来事はなんだったんだろう?」


いや‥‥‥もしかしたら‥‥‥あれが彼女との最後の五分だったかも‥‥‥。


そして‥‥‥あれから二ヶ月。

いつもどうり、五時五十分発の電車に乗る。


そして、空いている車内の座席に座ると、


その横には‥‥‥彼女が微笑んで


「おはよう」


と。


僕と彼女に何があったかは二人だけの秘密。

けど‥‥‥機会があれば、僕と彼女に何があったかは、お話ししましょう。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

五時五十分発の恋 本田 そう @Hiro7233

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ