第4話

 私は、今恋をしている。しかも、ずっと昔から。


 あれは、私が小学生の時だった。私は、昼休みに幼馴染みのたっちゃんと学校を探検していた。

 すると、私たちの知るとあるアニメ映画の主題歌だった。

 その映画は魔法で獣に変えられてしまった王子さまと村では少し変わり者と言われた綺麗な女の子の恋の物語だ。最近、ハリウッドでも実写化され日本でも話題になっていた。


 その、音楽が流れているところへ進んでみるとそこは音楽室だった。

 私たちはまだ、低学年で音楽室ではなく教室で歌を歌ったりしていたので音楽室を見るのは初めてでとてもワクワクした。


 そこで、私が出会ったのがピアノだった。ピアノを弾いていたのは私たちの担任の先生で、その先生が私にピアノを触らせてくれたのがきっかけだった。


 ピアノに思う存分触れた後にたっちゃんに「私にピアノってできると思う?」と聞いてみた。

 すると「利佳のピアノは綺麗だと思うよ」と、たっちゃんが言ってくれた。私はこの時にピアノをこの人のために弾こうと決めた。

 その日、家に帰ったらお母さんに「私、ピアノやる!」と、言ったのをまだ覚えている。


 私が今、ピアノを弾く理由は1つ。『たっちゃんに聞いてもらうため』ただそれだけ。

 だから、私はこの思いをピアノで伝えてみせる。

 もし、たっちゃんの運命が私と繋がっていなかったとしても私は必ず繋いでみせる。




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