星空に魅せて

@11245

第1話

「はあー…」

肌寒い季節、綺麗に見える時間、僕は野外に出ていた。口から出てくる白い息は今僕の生きた証拠だ。

吐いては消える、それをくり返しながら空を見上げていた。

今日は年に何回かしかない流星群が降り注ぐ日、見逃してはいけない日だ。

綺麗な写真を撮り、記念を残さなくてはいけない、わけのわからない使命に動かされていた。

一つ、また一つと流れていく流れ星、まるで空をかたどっているようで息を呑みその光景を見つめた。

あまりの美しさに瞬きも忘れ、思わず持っていた望遠鏡すら忘れただ見上げている。


背後に人影がいた。その人物も静かに見上げていた。

数日後、一つの雑誌が目に付いた。そこでコンビニに入ると、流星群を見上げた一人の少年が立っていた。

ってこれ、俺じゃないか!?

呆然とその雑誌を眺める。

それは、僕自身が写った写真が入賞していた。

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