第22話-7

「どういうつもりか知りませんが、私たち生徒会は全校生徒の選挙を経て、正式な手続きにのっとり組織されたものです。貴方たちのような不逞の輩の要求に屈して、解散などしません」


「……そ、そうだ!! 竜道寺くんよく言った!! 副生徒会長の言う通りだ、そのような脅しに屈するか!!」


「脅し? ふふっ……これは提案ですよ、生徒会長!!」


 なんだと、と、副生徒会長と生徒会長が顔をこわばらせる。

 もはや完全にこちらのペース。彼らを言葉で弄するのは容易い。


 強引に、ここは押し切る。

 そう、生徒会長としての実力の差を、はっきりと見せつけることで。


「貴方は本当に自分が生徒会長にふさわしい人間だと思っているのかな、三島生徒会長?」


「……どういう意味だ?」


「たまたま対立候補に魅力がなかっただけ。真にカリスマ性を備えた、強者が出てくれば、吹いて飛ぶような泡沫生徒会長。それが、たまたま運の巡り合わせで、生徒会長になってしまった……そうではないのですか!!」


「失礼な!! 生徒会長は、なるべくしてなった生徒会長です!! そのような発言は許せません!!」


 優秀な副生徒会長が食って掛かる。

 あえて無視して、俺は続けた――。


 そう、いかにみゆきが生徒会長の器であるか、語ることにしたのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る