第21話-8

「いやいやいや、常識的に考えて俺が生徒会長だろ」


「まってタカちゃん、それは少年漫画の常識だよ!! 少女漫画的には――女の子が生徒会長で、男の子が副生徒会長というのも全然ありだよ!!」


 そう、俺もみゆきも、両方とも生徒会長狙いだったのだ。


 なんということだろう。


 とんとん拍子に話が進んだと思わせ、いきなりのちゃぶ台返し。

 これには俺も運命の悪戯を嘆いた。


 まさかみゆきも生徒会長になりたかっただなんて――。


 生徒会長は一人しかなれない。


 嗚呼。

 どうして神はこの世に、生徒会長を一人しか作らなかったのか。

 何故だ、何故このご時世に、生徒会だけは生徒会長だけに権力が集中する、一党独裁状態なのだ。


 憎い。

 この世に生徒会という概念を作り出した、世界が憎い。


 しかし、今は体制についてつべこべと言っている時ではない。


「俺が、生徒会長だ!!」


「私が、生徒会長だよ!!」


 みゆきと俺。

 どっちが生徒会長にふさわしいか。

 はっきりとさせる時であった。

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