第16話-7

「つまり、TSものこそ、ラブコメの神髄。今、最も来ている属性!!」


「流行りものには乗らなくちゃだね、タカちゃん!!」


「あぁ、そして――肉体の変化に戸惑いながらも、恋心を自覚するというのは、俺たち幼馴染の関係を打開するカギになる」


「距離が近いけど一歩踏み出せない。その一歩を踏み出す答えが、TSモノにあるかもしれないんだね、タカちゃん!!」


「そういうことだみゆき!!」


「そういうことだねタカちゃん!!」


「……みゆき!!」


「……タカちゃん!!」


「みゆき!!」


「タカちゃん!!」


 また、俺とみゆきは熱く抱擁する。

 それは、親友と抱き合うのと同じ。


 自分の気持ちを分かってくれる存在に感謝するハグ。それと同じノリで俺は幼馴染のみゆきと抱き合った。


 しかし、TSならこうはいかない。

 きっと抱き合うだけでも、いいのかな、大丈夫かなって、戸惑うのだ。


 異性として意識しちゃったのだ。


 そしてそれこそ恋心。

 俺が追い求める感情であった。

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