異世界暇人(びと)の能力適正

猫丸(にゃんまる)

全ての始まり

プロローグ〜始まりの朝に〜

カーテンから日が差し込み、小鳥の歌声が響く、いつもと変わらない朝。


「ふぁ〜、ねむ」


大きく欠伸をしてまたベットに潜り込む。


「昨日はずっと、照準補助デバイスのプログラム作成に追われてたからな」


 俺の名前は白峰雪十。【国立新科学先進第一高等学校】在籍。職業・高校生、副業・主に軍のシステム構築の修正、及び補助。


 俺は小さい頃から色々なことの才能に長けていた。その中でもコンピュータ関係のことは、両親の影響もあり、中学2年の頃には、プログラムの構築、システムへの侵入など、その他諸々のこともマスターしていた。

軍の副業のきっかけは、父さんだ。父さんは、もともと軍の少佐の立場で、母さんと結婚してからは退役を考えていたが、退役を許すには惜しい存在だと言われ、現在では、特階級を与えられている。

中学3年の時、父さんに、軍のシステム強化の補助に誘われ、その技術を買われ、今は、それが副業になっている。ちなみに、この副業をしてることは、両親しか知らない。


あともう少しで寝付けそうだというところで………。ガチャ、玄関が開き、誰かが階段を駆け上がってくる、そして、俺の部屋の扉が開き、いつものフレーズが耳に入る。


「雪十!おきなさーい!」


怒気を孕んだ大声が俺の部屋に響く。

今、俺の部屋に来たのは、幼馴染の小鳥遊真白。

高2にになってからほぼ毎日、というか毎日起こしにくる。……なぜかって?


現在両親は軍の施設で、教官を勤めている。そのため半年程、家には両親がいないのだ。それを心配したのか、母さんが隣の家に住んでいる。小さい頃からの幼馴染である 真白に、モーニングコールを頼んでいたのだ。俺は朝が弱いのだった。


「やっぱり真白か、勘弁してくれ、というか今日は休みだろ?」


「忘れたとは言わせないわ!今日は一緒に買い物に付き合ってくれるって約束したじゃない!」


「あぁ、そういえば今日だったっけ。というか、日にちは忘れていたがそのこと自体は忘れていないぞ!」


「あんたねぇ〜、まぁいいわ、さあ、早くいくわよ。 ほら、いつまでも布団にくるまっていないで!」


そう言いつつ俺の布団を引き剥がす。


「おい、何すんだよ寒いだろ布団返せよ」


「返すわけないでしょ、返したらどうせまたベットに潜り込む……って!あああああ、あんた!

なな、なんで服着てないのよ!っは、早く着なさいよ!」


「あ、いや、すまん。というかパンツは履いているけどな」


真白は顔を赤くしてあわあわしている、時々何かつぶやいているが小さすぎて聞こえない。


「わ、わかったから!早く着替えてよね!部屋の外で待ってるから!」


ガチャン、慌てた様子で真白がでていった。


「ったく、なんだよ急に慌てだして、ちっちゃい頃は一緒にお風呂に入ったりしたじゃねぇか」


「それとこれとは違うの!」


扉の外から真白が叫んでくる。


「はいはい 、わかりましたよ。っと、おし、じゃーいくか」


手早く着替えを済ませ、部屋を出る。


「着替えるの早いわね。そんなに早く着替えられるんなら、先に着替えときなさいよ。もう!」


「あぁ、すまない」


「じゃあ改めて。ふふふ、聞いて驚きなさい、今日はあんたが好きなアニメの映画先行試写会にいくわよ!買い物に行くと言うのは口実でした♪」


ジャジャーンと効果音がつかんばかりにチケットを2枚、目の前に出してきた。


「ん?あ、そうだったっけ?すっかり忘れてた。ありがとう、真白」


「わ、私も少し気になってたのよ!あんたはついでよ!」


「ついででもありがたいぞ。でも、なんで2枚あるんだ?」


「え、えーと。そ、そう、間違えてペアチケットに応募しちゃってただけよ!」


「そうか……」


それにしても、今日の買い物に行くことが口実なら、もともと計画してたことなんじゃ?……まぁ、いいか。


「楽しみにしてなさいよ♪。そ、れ、と、途中で寝たら許さないからね」


「あぁ、分かった。でも、俺より真白の方が寝そうだけどな。この間映画見に行って、途中で寝たのは誰かなぁ?しかも、こっちに寄りかかってくるし、映画終わった時起こすの大変だったんだぞ」


「そ、その時は悪かったわよ、今回は気をつけるわ」


…なんか、今回も寝そうな気がする。…


雑談をしながら階段の中間に差し掛かった時。


「え、」


真白が足を滑らせたのだ。

俺の家の階段は大きく、落ちたりしたら怪我だけではすまない。


クソっ、俺はとっさに真白を抱き庇いながら、落ちていく………その瞬間、俺たちは光に包まれていく。



ーとある場所でー


※日本語に翻訳済み


???「ん?何か一緒に巻き込まれなかったか?」


???「大丈夫だよ、きっとそこらへんのカエルとかでしょ?」


???「でも、ノア様にだけには、ばれないようにしなくては」


???「そうだね、ばれたらカンカンだもんね〜」


???「てか、なぜカエル?」


???「何でだろ?ふと思いついた〜?」


???「いや、俺に聞くな」

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