第181話秀美の突然の告白

 徹也がそう言ったときだった。秀美が突然、涙を目に浮かべながら、こう言い出してきた。

「私ね。今日で気付いちゃった……」

「何がだい?」という徹也の顔色をよそに、秀美は徹也に、こう告白した。

「私ね……。てっちゃんのことが好きなの!」

 突然の秀美の告白に、徹也はたじろいた。

「大好きなの! てっちゃんのことが……」

 そして秀美は、今日こんな寒い中であっても、あえてスカートをはいてきた理由を、話をしはじめた。

「今日こんな寒い中で、無理してスカートをはいてきたのも、てっちゃんとデートするという意味をこめて、それで無理してこんな格好をしてきたつもりだったの!」

 秀美は大粒の涙を流しながら、話を続ける。

「てっちゃん。私もてっちゃんと同じ大学院の試験けることにする。そこでもし、てっちゃんの点数の方が私より上だったら、私はてっちゃんのことを諦めて、てっちゃんと橋部さんの関係を応援する。でも、もし私がてっちゃんの点数を上回ったら……」

秀美は目に涙を浮かべながら、

「てっちゃん。橋部さんのことは諦めて、私と付き合って!」

 そう徹也に秀美は、言い切った。

 この秀美の告白の後で、哲也はどうやって秀美と別れて、自宅へと帰宅したのか、記憶が飛んでしまっていた。それだけ秀美からの告白があまりにも突然すぎて、また内容もショッキングなものであったのだろうと、徹也は自分の部屋で、そう悩み続けながら、いつの間にか眠りに着いていた……。

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