第152話遊び終わった今日子と徹也その4

 教職や教育学部に通う学生の、大学三年生からの忙しさのすさまじさは、徹也は既に秀美のことで知っていたからだ。

「うん。本当は私って学校の先生になりたいから、家庭教師とか、塾の先生とか、今のうちからやって経験を積んでいた方が、もしかしたらそうした方が良いのかもしれないのだけれども、受験生だったときにお世話になった予備校の数学の先生が『積分を教えないアルバイトをしなさい』っておっしゃっていて、それで土日だけちょこっと、実家の近所のホームセンターで、アルバイトをしているの」

「でもまあ、雪絵に受験のための数学は、教えていたのだろう?」

「そうだね。あっ徹也ちゃんにはお話ししていなかったかな? あともう一人、理科大の理学部の応用物理学科に進学した女の子の数学と物理を、私が大学一年生のときに、面倒を見たことがあったけれどね。そのぐらいかな?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る