第153話遊び終わった今日子と徹也その5

 すると徹也はまた、話題を変えて今日子に対して、

「今日子ってさ。お前さん、そんなに可愛い格好と容姿を兼ね備えているというのに、理科大の学園祭での『ミスキャンパス』なんかには、ノミネートとかされたりとか、もしかしてしないのかな?」

 それを聞いた今日子は今日子で、

「そんな『ミスキャンパスに出ませんか?』なんて『打診』が、私のところなんかには来るわけが、そもそもないからね。でももし仮にそんな打診が私のところに来たとしても、絶対に断るからね。それにあのミスキャンパスって、実は『出来レース』な部分も、結構あったりするからね。あとそもそもミスキャンパスに選ばれて、その実績でテレビ局のアナウンサーとして就職したいって思っている女子学生さんなんかは、そもそも理科大のような、勉強中心の大学には普通は来ないと、私は思うのね。もっとアナウンサー就職の実績のあるような大学を、普通は受験しようとするんじゃないかな?」

 今日子はそう笑いながらも、徹也にそのように返事を返した。

 そんなたわいもない話を、徹也と今日子はしていると、夕食を取る時間として、なかなか良い時間となってきたために、徹也が今日子に対して、

「じゃあどうせなら、夕食もここで済ませてしまおうかい?」

 と徹也は今日子に聞いてみた。今日子も徹也の提案に賛成したため、徹也と今日子の二人はドリンクバーと、あと徹也はハンバーグを、今日子はパスタをそれぞれ注文して、そして今晩の夕食として、徹也と今日子は二人で一緒に食べた。

 食べ終わって会計になったときに徹也が「お金は俺が出すよ!」と今日子に言った。徹也にとって女性に食事代を出させるのは、徹也のプライドを傷つけることになるということは、今日子も十分に知ってはいたため、今日子は徹也の申し出に、素直に甘えることにした。

 ファミレスを出るときに、徹也が今日子に、

「今日は付き合ってくれて、どうもありがとうな! じゃあまたな! 元気で頑張れよ! まあ普段通りに過ごしていれば、お前さんの場合は大丈夫だと思うけれどね!」

 徹也がそう今日子のことを思ってそう言うと、今日子も、

「うん! 今日はどうもありがとうね! 食事代も出してもらっちゃって、なんだかちょっと申し訳ないけれども……」

 そう言った今日子に対して、徹也は、

「そこのところは気にするなって! じゃあまたね! 今日子の時間が取れたら、また付き合ってくれよね!」

 徹也がそう言うと今日子は、

「うん! じゃあまたね! 徹也ちゃんも物理の勉強、頑張ってね!」

 今度は今日子が徹也に労いの言葉をかけて、お互いに励まし合う言葉をかけあって、徹也と今日子は、飯田橋駅で別れた。

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