第149話遊び終わった今日子と徹也その1

 十分に遊び終わった徹也と今日子は、理科大の近くのファミレスに入った。

 徹也が今日子の服装を見て、こんなことを徹也は今日子に質問した。

「今日子。お前さんさ、ここ最近会うたびに黒い服ばかり着ているみたいだけれど、それってやっぱり……」

 それを聞いた今日子は、こう返事をした

「うん。『ラウド・ゼロ』ちゃんがいつ出てきても良いように、なるべく黒っぽい服を着るようにしているの。でも黒って太陽の光を吸収するから、夏場は結構辛いけれどもね……」

 またよくよく徹也は今日子を見てみると、今日子の髪の長さが、中学の頃から全くと言って良いほど、変わっていないことに気がついた。

「というか今日子。お前さん中学のときから髪の長さって変わってないよな? カットとか、どうしているんだい?」

 すると今日子からは、意外な返事が返って来た。

「中学のときから全然何もしていないよ。ずっとこのまま。これ以上伸びたりもしないから、美容院とかにも特に行ったりはしていないのだよね」

「特にこれといったケアとかは、していないのか?」

「特には何もしていないかな? なんかトリートメントとかしていなくても、髪が痛むこともないからね」

 徹也はさらに、今日子に聞いてみたい個人的な質問をする。

「前々から思っていたのだけどさ、今日子は大学デビューっていうか、例えば髪の毛を染めようとか、そういうことは考えたことはないのかい?」

 それを聞いた今日子は、首をかしげながら、

「う~ん……。私ももう大学三年生だからね。今から髪の毛を染めても、周りから浮いちゃうだけだし、あとお兄ちゃんからも『意味なく髪を染めるな!』って言われているし、それと私って先生を目指している身だから、むやみやたらに髪の毛を染めるのは、やっぱり良くないのかな? って思っているの」

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